AI信仰は危ない!
色々な分野に生成 AI などの人工知能研究の成果が取り入れられており、高も万能であるかのような主張が氾濫しております。
確かに囲碁や将棋などのルールが明確になっている分野では素晴らしい成果が出ております。
しかし 生成 AI の知能は人間で言えば小学生程度です。いやそれ以下かもしれません。
例えばこのような簡単な数学の問題が解けないのです。
$$ y=ax – b $$ のとき、xを求めると、$$ x=(y+b) / a$$
となりますが、生成AIにはこの計算ができません。(GoogleのGEminiの場合で検証)
具体的には、ヘモグロビン AI 値 x%(HbA1c)から1日の平均血糖値を求める、次のような実験式があります。
$$ 平均血糖値(mg/dl)= 28.7 x (HbA1c) – 46.7 $$
なので、HbA1cを求める指揮は、
$$ x(HbA1c) = (平均血糖値(mg/dL) + 46.7)/28.7 $$
となるはずです。ところが 先生 AI に次のような質問をすると、
平均血糖値からHbA1c値は推定できますか?
はい、平均血糖値からHbA1c値を推定することは可能です。ただし、いくつかの注意点があります。推定式
平均血糖値からHbA1c値を推定するには、以下の式が用いられます。
HbA1c値 = (平均血糖値 – 46.7) / 28.7
例えば、平均血糖値が154mg/dLの場合、HbA1c値は以下のようになります。HbA1c値 = (154 – 46.7) / 28.7 = 7.0%
46.7の符号を変えなければいけないのに、単純に右辺から左辺に移動しているだけです。
符号を間違っているんじゃないの と生成 AI に指摘をすると、
“””平均血糖値 + 46.7″””の間違いではないですか? お答えのとおりなら計算が合いません。
ご指摘ありがとうございます。
仰るとおり、平均血糖値からHbA1c値を推定する式の分母は「28.7」ではなく「46.7」が正しいです。
従って、平均血糖値からHbA1c値を推定する式は以下のようになります。
HbA1c値 = (平均血糖値 + 46.7) / 46.7
例えば、平均血糖値が154mg/dLの場合、HbA1c値は以下のようになります。HbA1c値 = (154 + 46.7) / 46.7 = 7.0%
以前の回答で誤った情報を提供してしまい、大変申し訳ございませんでした。
殊勝な態度で謝ってはいるが、やっぱり間違えてる。これじゃ使い物にはなりません。
要するに生成 AI は数学的な知識を持っているわけではないのです。この文言があれば、次に来る文言は統計的に考えて、この文言がくる確率が一番高い、と判断をしているだけなのです。
これからの時代に AI との付き合いは避けて通れなくなってくるのは確実ですが、我々人間はどういう態度で対応すればいいのか。次の書籍が非常に示唆に富んでいます。
例えば、何千枚もの写真を見せて、機械学習によってシベリアンハスキーと狼の画像を個別できるようになったというAI が、実際は写真の中に雪が写っているかどうかで判断をしていたというお粗末な例。
メラノーマ(悪性黒色腫)の画像を見せて機械学習させた結果、悪性と良性を人間以上の精度で区別できたAIが、実は医師によって写真に書き込まれたマーカーによって判断をしていたとう例などが紹介されていました。
書籍『AIに勝つ数学脳』の概要
AI時代に求められる新しい数学力とは?
本書は、AIの発展著しい現代社会において、人間がAIと共存し、繁栄していくために必要な「数学的知性」について論じたものです。
従来の数学教育では重視されてこなかった、「概算」「直観」「推論」といった能力こそが、AIにはない人間の強みであり、これからの時代を生き抜く鍵となると著者は主張します。
具体的には、以下の点に焦点を当てています。
- 数学の本質を理解する: 公式や定理を丸暗記するのではなく、なぜその式が成り立つのか、背後にある論理を理解することが重要です。
- 創造性を発揮する: 数学は単なる計算ツールではなく、問題解決や新しいアイデアを生み出すための強力な道具です。既存の枠にとらわれず、自由に思考することが求められます。
- 異なる分野を繋ぎ合わせる: 数学はあらゆる学問と繋がっています。数学的な考え方を他の分野に応用することで、新たな発見や革新を生み出すことができます。
本書は、数学的な専門知識がなくても理解できるよう、平易な言葉で書かれています。また、豊富な図や例を用いて説明されているため、数学が苦手な人でも楽しく読むことができます。
AI時代に求められる新しい数学力について知りたい方、数学をより深く理解したい方、そして創造的な思考力を身につけたい方におすすめの一冊です。
本書で学べること
- AI時代に求められる数学的知性とは何か
- 概算、直観、推論といった能力を磨く方法
- 数学の本質を理解し、創造性を発揮する方法
- 異なる分野を繋ぎ合わせ、新しい発見を生み出す方法
本書の対象読者
- 数学に関心がある人
- AI時代に必要となるスキルを身につけたい人
- 創造的な思考力を養いたい人
- 数学をより深く理解したい人
この書籍は、2024年2月に早川書房から出版されました。著者はオックスフォード大学で数学を学び、現在は教育者として活躍するジュネイド・ムビーン氏です。