77歳の誕生日を迎えて:膵臓がんからの生還と現在の生活

本日、6月27日、私は77歳という誕生日を迎えました。この記念すべき日を迎えられましたこと、そして皆様にこのメッセージをお届けできますことに、深甚なる感謝と喜びを抱いております。18年前には、まさかこの年齢で自身の所感を皆様と共有する機会が得られるとは、想像だにしませんでした。
今から18年前、私は膵臓がんの診断を受けました。当時の医師からの告知は極めて衝撃的でしたが、眼前に広がる光景が暗転するほどの衝撃は受けませんでした。事前に「膵臓がんに違いない」と覚悟ができていたからです。
先行きの見えない不安と、死への恐怖が私の精神を支配いたしました。しかしながら、「手術をしなければ死しかない」と分かっていたので、すぐに手術日を決めました。
家族、友人、そして医療従事者の方々の温かいご支援と、絶え間なく進歩する医療技術、そして何よりも「生存する」という確固たる意志が、私をこの時点まで導いてくれました。18年という歳月を生き抜くことができたのは、医療の発展と多くの方々の慈愛が織りなす、まさに奇跡と認識しております。この経験は、私にとって一日一日、いや、一瞬一瞬を大切にすることの意義を深く教えてくれるものとなりました。
もちろん、この長い道のりには様々な困難が伴いました。加齢に伴う体力の低下は否めませんが、特に近年は、長年にわたり抱えてきた腰痛に悩まされることが増加しております。起床時や、わずかな時間立っているだけでも腰部に鈍い痛みが走るため、若い頃のように軽快に活動できないことに、時折寂寥感を覚えることがあります。かつては容易であった散歩も、現在では途中で休憩を要するなど、身体の変化は「加齢」という現実を厳然と突きつけます。
しかしながら、私はこの「老い」をも受容し、それと共に生きていく選択をいたしました。身体がかつてのように自在に動かせなくなったとしても、これまでの人生で培ってきた知識や経験を活用し、精神は常に前向きな姿勢を保っております。無理をせず、自身のペースで可能な活動を見つけ出し、その中で充足感を得るよう努めております。例えば、庭の草花に丁寧に水をやり、季節の移ろいを肌で感じること、最近急速に進歩している生成AIを学んで実生活に応用する、あるいは積読となっていた書籍を時間や制約を気にすることなく熟読すること、そして何よりも大切な家族や友人との対話の時間を重んじること。こうしたささやかな日常の中にこそ、真の豊かさと、かけがえのない幸福が内包されていると認識いたしました。以前は多忙さゆえに見過ごしていた些細な喜びに、現在は深い満足感を覚えています。
77歳。人生を顧みますと、歓喜も悲嘆も、成功も挫折も、実に多くの出来事を経験してまいりました。いくつかの交通事故やがんなどの病気も奇跡的に生き延びてきました。しかし、それら全てが現在の私を形成し、深みを与えてくれていると確信しております。膵臓がんという重篤な疾患を克服し、日々の腰の痛みという現実を抱えながらも、私は「今、ここに存在する生命」を最大限に輝かせたいと願っております。
今後も、このブログを通じて、がんサバイバーとしての経験から得た教訓、日々の生活の中で見出す小さな幸福、そして加齢といかに向き合い、いかに受容していくかという、ありのままの私の姿を誠実に発信していきたいと考えております。私の言葉が、皆様の心に微かながらも光を灯すことができましたなら、これ以上の喜びはございません。 引き続き、温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。