「ゆらぎ」を認めてこそ、個別化医療が成り立つ
医学は科学です。しかし、医学の対象とする人体は複雑系の代表であり、その行動は「非線形」に振る舞う。
したがって、医学を学問として捉えた場合、その方法論は「非線形」でなくてはならないはずです。
しかし、物理学でさえも「非線形」の扱いが始まったばかりなのに、その高次な応用科学である医学が、非線形の方法論を取り入れることは、ほどんど不可能でしょう。
その反面、医療は太古の昔から経験則に基づいた複雑系として扱われており、医療は元々非線形なのであり、医療の中に「ゆらぎ」を認めてこそ成り立ってきたのです。それが「さじ加減」と呼ばれ、そうした行為を太古から「医療」と呼び習わしてきただけのことなのです。