がんと自律神経ー国立がん研究センター
国立がん研究センターのプレスリリースです。
がん組織内に自律神経が入り込む
本論文では、がん組織内に自律神経系が入り込むことで、その患者の予後を左右することを世界に先駆けて証明しました。特に乳がん組織内に交感神経が活発な場合は、その患者は予後不良であること、さらに実験的に交感神経を抑制または除去した場合は、がんを縮小したり転移を抑制できることもわかりました。
自律神経が乳がんの増大に伴って乳がん組織内に入り込み(図1)、がんの増殖や転移に強い影響を及ぼすことを発見しました。
ヒトの乳がん組織解析により、交感神経密度の高い患者群は、交感神経密度の低い患者群に比べて予後不良であることを発見しました。
- 自律神経が、乳がん組織内に入り込み、がんの進展や予後に強く影響することを発見しました。
- ストレスなどによる交感神経の緊張が、がんを進展させ得ることを明らかにしました。
- 自律神経を操作する神経医療(遺伝子治療など)が、がんの新規治療戦略になる可能性があることが示唆されました。
ストレスとがんの関係がより明確に
疫学研究では、慢性ストレスががんの進展を加速させることが報告されており、ストレスに関連する自律神経の変化ががんに影響し得ることが示唆されていました。
この研究の画期的なのは、実際にがん組織内に交感神経が入り込んでいることが確認できたことです。
非常におもしろい、興味深い研究ですね。
特にストレスとがんの関係は、完全に証明されているわけではないのですが、この研究によって、より根拠が深まったという印象です。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)細胞生理学分野の神谷厚範教授は、「ストレスによる心の状態や交感神経の緊張が、がんを悪化させる可能性がわかった。心を平穏に保つことががんを抑制するうえで大切なのかもしれない」と述べています。
ストレス⇒交感神経が活発⇒がんが進展、転移しやすい
がん患者としては、ストレス対策が大切です。
ストレスは膵臓がんの成長を加速させるという研究もありました。
遺伝子治療の開発など待たずとも、瞑想、マインドフルネス、ヨガ、サイモントン療法、太極拳、何でもよいので、気に入ったものを取り入れてみてはいかがでしょうか。
ストレス、特に他人を憎む気持ちは、大きなストレスになります。がんになったら、すべてを許し、憎しみを手放しましょう。
心の平安ががん治療において、一番大切。これは私の12年間の実感です。