告知宣言 今日から私はがん患者になった

妻には内緒で家を出た

3368f妻には千葉に車で出張だと偽って家を出た。

あいにくの雨模様の天気だ。車で癌研に向かうと途中からフロントガラスに雨粒が当たりだした。癌研の地下駐車場に入ると、満車ですからしばらくお待ちいただくか、いったん外に出てください、との案内。ちょうど出て行く車があったので、その後に駐車できた。

たくさんの患者がいる。みんな癌なのだろうか。多いよなぁ。頭髪の抜け落ちた若い女性もいる。でも意外と元気そうだ。フロアにグランドピアノが置いてある。コンサートも開いているようだ。

受付ではPHSの端末を渡された。診察が近くなるとバイブと音で知らせてくれるのだという。それまでは自由にどこにいても良いらしい。便利なシステムだ。

診察は消化器センターの肝坦膵担当の先生。事前にHPの診察予定表で調べて予想していた先生だった。

持参した超音波・CTの画像をシャーカステンで見ながら、「90%以上の確率で悪性だと思います。」と。うーん10%確率が上がったなぁ。

手術はぎりぎりでできそう

「手術は可能でしょうか?」「うん、ぎりぎりだが大丈夫だと思う」・・・少しほっとする。 「お願いします」と言ったら、先生は一瞬きょとんとしていた。こんなに簡単に手術を決める患者も珍しいに違いない。

膵臓がんの場合、手術ができなければ確実に死が待っている。迷っているべきではないと考えた。

選択肢のないときに迷うことはない。あとは運任せ。

念のためもう一度この病院でCTを撮って再び診察を受ける。

  • 腫瘍の大きさは25ミリ程度
  • 膵頭部を残して後は全部切除する。
  • 周囲の組織も大きく切除する。
  • 肝臓と胃につながっている大きな血管に近いので、もしかすると胃を全部切除するかもしれない。これは開けてみないとわからない。
  • 手術は98%成功するから心配要らない。
  • 1ヶ月の入院後は普通に仕事に戻れます。しかし合併症を併発すると2ヶ月くらいの入院になるかもしれない。
  • 手術した場合の生存率は、あくまでも統計的に言えばだが、5年生存率20%、2年生存率50%。
    あとの30%はどうなるのか聞き忘れた。5年以上あるいは2年未満?
  • 良性である可能性も少しは残っているが、組織検査をしていると手術が遅くなる。また組織検査の結果も確実とはいえないので、検査なしで手術をする。良性だとしても大きさからいって、手術が必要だ。

ということで、6月29日に手術をすることに同意した。2週間後だ。

診察して受けた印象は「この先生なら任せて大丈夫だ」という第一印象。前の直腸がんのときもこの第一印象は正しかった。信じることにしよう。(その後、齋浦先生は「若き神の手といわれるようになるが、この時点ではまだ無名の医者だ)

6時間近く病院にいたことになる。駐車場を出ると雨と風が強くなっていた。

帰宅して、今日はチェロのレッスン日だと思い出した。どうしようか。結局川崎まで電車で行き、「蕎路坊」で野菜天ざると熱燗を一本。チェロのレッスン日はここの蕎麦が楽しみだ。

一時間みっちりとレッスン。第二ポジションと第三ポジションのポジション移動がある「エーデルワイス」などを弾く。楽譜に集中すれば指が間違う。指に集中すれば右手の弦の動きがおかしくなる。しかし先生は「このクラスは進歩が早いです。そろそろ次の上級コースにしましょうか」とおっしゃるが、本人は進歩が遅いなと感じている。本当かなぁ。

レッスン後に癌になったので入院手術すること、しばらくレッスンに参加できないことを告げる。励まされて教室を出た。

10時半。雨の中を帰宅。今日は本当に疲れた。今日から私はがん患者になった。


膵臓がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ 膵臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です