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里帰り

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高知県安芸市土居の「野良時計」


_mg_1954週末に高知に里帰りしました。台風11号の接近で帰りの飛行機が欠航にならないかとやきもきしましたが、直前の便は欠航になったが私は無事に帰ることができました。やはり悪運が強そうです。

四国八十八カ所、27番札所である神峯寺まであと4キロほどのところにある道の駅で一人のお遍路さんにあいました。残暑の土佐路はまだうだるような暑さで、この時期に歩き遍路をしている方は少ないのです。ベンチに腰掛けてぐったりとして、いかにも疲れ切った様子だったので、思わず声をかけました。
「どちらからお越しですか?」
「東京の日野市からです。西国三十三カ所を回ってからこちらに来ました。四国の52番から回っています。76歳になりました。」 歩き遍路で、しかも野宿をしているといわれました。春や秋に多い遍路ですが、野宿をするのなら夏の方が夜間の寒さを感じなくて良いのかもしれません。背負ったリュックは17キロの重量だそうで、持ち上げるのがやっとの状態です。「あと4キロなのですが、疲れてここで一時間くらい休んでいました。」

年季の入ったような格好でした。菅笠は色も変_mg_1938色して「同行二人」の墨跡も消えかけています。白装束も汗で黄色に変色していました。「同じ方向ですから、よろしかったら乗っていきませんか」と同乗を勧めました。

これからお参りする27番札所への険しい山道にも結構詳しくて、四国遍路は何度目かであることなどの話しをしながら、登り口の遍路宿まで送り届けました。

私の子供の頃は、時々お遍路さんが門前に来て、金剛杖と菅笠、托鉢のお経を上げる姿が記憶に残っています。母がお米やら小銭やらを、鉢かずだ袋の中に入れてあげていました。中には遍路できてそのまま住み着いた者もいましたし、連れてきた子供を残していなくなった遍路もいました。その子供は成人してあるお寺の住職になり、説教の時にはいつも自分の身の上話を引き合いにして仏様のありがたさを語っていました。松本清張の『砂の器』そのままの世界でした。それぞれいろいろな業を背負って遍路の旅を続けていたのでしょう。

最近はほとんどが観光バスや自家用車の「観光遍路」ですから、歩き遍路で野宿という方はほんとうに少なくなりました。

助けを必要としている遍路さんが、助けを求めようとしていない姿に自分自身を重ねて見ていたような気がします。そして自然と「よかったら乗っていきませんか?」という言葉が何のてらいもなく口から出ました。相手もただ一言、「お願いします」と。何かは知らないが、大変な業を背負って何度もお遍路巡りをしているこの人に、決然とした覚悟を感じたのです。それが現在の自分と二重写しになったようです。私に声をかけるように突き動かしたのは同情ではなく連帯感でした。自分がほんとうに必要としているときに誰かから力を貸してもらえるという人生はすばらしいと感じたお遍路さんの瞳の中には、人間に対する信頼感が宿ったことをはっきりと思い出します。はかない二人の人生がつかの間、偶然に遭遇して交わり、二言三言話してまた分かれていく。こんな出会いと絆に私は穏やかな気持ちになりました。


選挙が終わりました。結果はご存じの通りです。印象に残っているのは長崎二区の福田衣里子さんの演説です。「この選挙は底辺で一生懸命に生きている者の生き残りを賭けた戦いです」。瞳がきらきらと輝いて綺麗でした。彼女の実感が言葉になって発せられています。人を感動させる演説はこうでなければならない。政治に理念を貫徹させなければならない。今日いかに理念が無くなったか。理念もなく単に政権交代を叫ぶだけになってしまった。政権交代をしてどのような日本にしようとするのか。アジアでは中国が台頭し、国内の若者は理科離れ、就職先もなくフリーターです。その多くが田舎から都会に出てきたのでしょうが、その田舎はシャッター商店街になっている。限界集落だといわれている。農業を切り捨て、大店法を改悪し、地元の商店を破壊した理念、「新自由主義」の理念に対してどのような「理念=将来像」を対置するのか。それが今回の選挙ではほとんど発せられなかった。過去には良くも悪くも民主連合政府という理念を掲げた共産党ですら、是々非々主義で臨むというだけの理念の乏しい政策になってしまった。

福田衣里子は決して「勝たせてください」と土下座はしなかった。自分の理念を高く掲げて、その結果には頓着していないように見えた。方や片山さつきはまったく見苦しいと言うにつきる。4年前は郵政民営化という理念を掲げて当選した。今回は何度も土下座をしていた。理念があるのなら土下座をしてはいけない。理念が大事なら土下座をする必要はない。

癌との闘いも同じことが言える。「どうか私のがんを治してください。どんなことでもいたします」と何かに土下座をしている患者が多いのではないか。そしてサメの軟骨だとかアガリクスだとか果ては怪しげなサプリメントなどに多額のお金をつぎ込んでいる。どんな人生を送りたいのかという理念をはっきりさせれば、おのずと闘い方は決まってくるはずだ。がんはお願いをして治るものではない。がんを治すに値する人生とは何か? 治していったいどのような時間を送りたいのかを考えてみればよい。答えが見つかったなら、今からそのような価値のある人生だと思えるような時間をたくさん作ることだ。山登りだったり、友人や家族との愉快な語らいの時間だったり、人それぞれ大事な有意義な時間が違うだろう。価値ある人生という理念を”いま”実現することががん治癒への近道になるに違いない。


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