新型インフルエンザワクチン

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土日は箱根で一泊の同窓会。高校時代の吹奏楽部で関東周辺に住んでいる方たちだけの集まりで、9名が集まった。 卒業以来初めて会う方がほとんどで、顔も名前もうろ覚えだが、名前を言われれば何となく面影が残っていると感じる。千円渋滞を嫌って早朝に出発した。奥湯河原が今紅葉の盛りだという情報に、ナビをそこにセットする。しかし、よい紅葉には出会えなかった。今年の紅葉はいまいちか。

薬をもらっている医院がこのところ結構込んでいる。新型インフルエンザの影響なのかもしれないと、先生に訊いたが、「これまで新型の患者は3名だけですね。季節性のインフルエンザの方が多い」とのこと。子供のワクチン接種に夫婦できている方がいる。新聞報道で子供の重篤化、死亡例が報道されたら、必死になってワクチンを打とうとする気はわかる。しかし、ワクチンを接種しても感染しないというわけではなく、重篤化に至らないかもしれないという程度だという。

私はワクチンを接種するつもりはない。がん患者に優先的に接種してくれるのかどうか知らないが、60歳以上は感染する可能性はごく小さいし、効果があるかどうかも不明なものに頼る気もない。高齢者で高血圧などの基礎疾患を持っていると、インフルエンザに羅漢した場合に重篤化する可能性が高いという。一方で、ワクチン接種との関連は不明だが、21の死亡例では、70歳以上で気管支ぜんそくや高血圧などの基礎疾患を持っている方が9割だという。つまり、高齢者で基礎疾患を持っていればインフルエンザに罹患したら重篤化するかもしれないし、ワクチン接種の副作用でも死ぬかもしれない。どちらの危険性が高いのかは所詮わからないままだろう。

そもそも体力のない人にワクチンを接種したって抗体がたくさんできて免疫力が高くなるわけではない。抗体をたくさん作るにも体力が必要なのだ。体力のない人に不活性化しているとはいえ、ウィルスを入れるなんて馬鹿げたことだ。免疫学が教えるところによれば、自然免疫系がまず働いて、それから獲得免疫系が動き出す。これが免疫学の基礎である。自然免疫(=体力)がないのにワクチンを打ったからといって獲得免疫が能率よく働き出すはずがない。

どうも日本人は何かというと薬に頼りたがる。『早めのパブロン』などという製薬会社のコマーシャルのその一因だろう。ワクチンの場合も、これを「打っておけば安心」という大いなる誤解がある。付和雷同的国民性もある。電車内でマスクをせずにくしゃみでもしようものなら周囲の非難がましい視線を覚悟せねばならない。お節介にも厚生労働者のインフルエンザ対策などという文書が業界団体を通じて送られてくる。うがいをしましょう、手を洗いましょう。マスクをしましょう。マスクやうがいがインフルエンザに有効だという証拠も説明もない。ま、成田空港で宇宙服まがいの検疫体制を敷いて世界中の笑いものになった厚生労働省の役人に、科学的裏付けを期待する方が愚かかもしれない。彼らが「右」と言ったら、眉につばをつけて「左」を向いた方が間違はない可能性が高い。

現役の厚生労働省医系技官である木村盛世氏がご自身のブログでこう書いている。

『いつの間にか「新型インフルエンザワクチンを打つと罹らない」とか「ワクチンで重症化が防げる」といった世論が形成されてしまった。・・・ワクチンの効果はその判断がなかなか難しいものである。』と。しかし、『現状のような新型インフルエンザパニック状態では国民に安心を与えるという意義は大きいということである。もし仮に用意したワクチンが無駄になったとしても、国民のパニックを防ぐことは危機管理の初歩である。』

つまり、効くか効かないかはやってみなければわからないが、危機管理の観点からやっているのだということだ。厚生労働省が「ワクチンなどは無駄だから止めましょう」とは言えないよな。そんなことをしたらインフルエンザで死亡した遺族からは訴訟の嵐が来る。それよりは、効かないかもしれません、副作用で死ぬ方が●%です、と言ってワクチンをやった方が責任問題にならない。

抗がん剤の標準治療でも同じことが言える。標準治療では抗がん剤の効果として生存期間が数ヶ月延長されるというだけのエビデンスが多い。副作用で生活の質(QOL)が下がる(この表現は控えめだ。実際は副作用に耐えながらやっと生きているだけ)ことは勘定に入っていない。統計的に見れば一部の人にわずかな効果があるだけである。効果がなく副作用だけを受けるという人もいる。しかし、エビデンスがあるというだけで標準治療さえやっていれば医者も病院も医療訴訟を巻き込まれる恐れはない。患者に安心して勧めることができる。

インフルエンザに罹ったかなと思ったら仕事を休んで、ゆっくり寝る。おいしいものを食べて体力をつけておく。これに勝る予防法はあるまい。
「早めのパブロン」ならぬ、「早めの休職、早めの就寝、美食」ということだ。


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