『がんと一緒に働こう』

がんと一緒に働こう!―必携CSRハンドブックCSRプロジェクト編纂の『がんと一緒に働こう!―必携CSRハンドブック
』が出版された。櫻井なおみさん他がんサバイバーの方が協力して編纂したもの。

がんになったとたんに命の心配をしなければならなくなる。それに加えて、仕事がどうなるのか、生活の心配ものしかかる。専業主婦ならまだいい。一家の大黒柱ががんになったら、治療費の心配に加えて家族の今後の生活がどうなるのか、自分の命も心配だが、それ以上に一家の今後のことが脳裏を去らなくなる。治療法についてならネットで調べれば沢山ヒットする。しかし、がん患者の経済的な問題について書かれているサイトや書籍は多くはない。

『がんと一緒に働こう!―必携CSRハンドブック』は、そんながん患者の悩み・疑問に丁寧に答えてくれる。

がんと診断された人の76%は今後も仕事を継続したいと考えている。しかし、そのうちの30%は診断後に仕事を変わっている。4.6%の人が解雇されている。解雇はされなくても、退職勧告を受けたり、降格されたり、給与が下がったりという例がたくさんある。『NHKスペシャル 働き盛りのがん』でも、出演していた方の一人が解雇されたと言っていた。

この本では一般的な労働者の権利を紹介し、また病気になったときに使える制度も例を挙げて紹介するなど、がん患者にとって切実な問題の解決の糸口を見つけることができる。

5月1日に「がんと一緒に働こう 治療を続けながら働くコツ」というシンポジウムがあったが、その内容をオンデマンドでキャンサーネットジャパンのwebから見ることができる。こちらも参考にすると良い。

第1章 がん経験者が知っておきたい働く権利
第2章 企業の考え方はこう 「遠慮しないで伝えよう」
第3章 職場でのコミュニケーション 「一人で頑張りすぎないこと」
第4章 保険や社会保障制度はこう使う 「お金は大事だよ」
第5章 体をいたわりながら働こう 「無理はしないで」
第6章 ワーキンググッズ&生活術を大公開

こんな内容だ。2008年に施行された「労働契約法」は労働契約についての基本的なルールを定めた法律であるが、会社は労働条件を変更するときには、労働者の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)にも配慮することを明文化している。しかし、この法律は労働基準法とは違い、罰則規定がない。企業に配慮を求めているに過ぎない。まだまだ弱者には冷たい日本だ。


膵臓がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ 膵臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク