時間治療とメラトニン

昨日のNHKクローズアップ現代「”からだの時計”が暮らしを変える」で時間治療(クロノテラピー)が取り上げられた。肝臓に転移した腫瘍が、抗がん剤を投与する時間を変えただけで、驚異的に縮小した例が紹介されていた。
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クロノテラピーに関しては、がんサポート情報センターに「副作用を抑えるがんのクロノテラピー(時間治療)夜間に抗がん剤投与の治療が進行大腸がんや卵巣がんに効果」との特集記事がある。

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人体を構成する60兆個の細胞には、それぞれに”時間遺伝子”と言われる遺伝子があり、親時計(松果体)の指令による体内時計によって細胞分裂の周期を調整している。

正常細胞が分裂・増殖する日内リズムも体内時計に基づき、朝から昼に向かって活発化し、夕方から夜にかけて低下し、真夜中にもっとも沈静化する。一方、がん細胞の分裂・増殖リズムは一定しないが、真夜中、寝ているときは盛んになり、昼間は低下することのほうが多い。この時間のずれを上手に利用すれば、正常細胞への毒性を極力抑え、抗がん剤の投与量を増やしてがん細胞により大きなダメージを与えることができる。

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正常細胞の分裂が活発でない時間帯に抗がん剤を投与するので副作用も少ない。したがって、よりたいりょうのこうがんざいを投与できる。肝臓癌患者の例では通常の1.5倍の抗がん剤を投与しても「髪の毛も抜かなかった」とインタビューに答えていた。

Image_160リウマチの場合も同様に、21時頃の就寝前に薬を投与すれば、リウマチの原因物質が増加するタイミングに合わせて大きな効果を得られる。

クロノテラピーは、平岩正樹医師の著書『抗癌剤―知らずに亡くなる年間30万人 (祥伝社新書 (001))
』や『がん―医者ができること 患者にしかできないこと』でも紹介されていて、平岩正樹医師は実際にクロノポンプを使って患者を治療していた。

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このクロノポンプ、番組でもフランスでは携帯型のクロノポンプを使って自宅で夜間に抗がん剤を投与するのが普及していると紹介されていた。先のがんサポート情報センターの記事には「日本では承認すらされていない」と書かれている。のっぽ先生のブログ「積極的精神で生きる」には2010年にこのことが紹介されている。

番組では「ある種のホルモン」と言っていたが、メラトニンを服用することで体内時計の乱れを整え、免疫を高める実験を紹介していた。

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メラトニンはこのブログでも初期から紹介してきたし、私はずっと服用している。メラトニンを2mgを2ヶ月間服用しただけで、NK細胞の量が240%に劇的に増加したとの研究や、マクロファージの殺傷能力を高めたり、ヘルパーT細胞のレセプターと真っ先に結合し、ヘルパーT細胞がIL-4因子を増産、これが骨髄幹細胞を刺激して白血球が量産される。

番組に出演していた九州大学の大戸茂弘先生(相当あがっていたが)の記事「時間治療-その発想の核心へ」がこちらにある。

多くの薬剤で投与時刻によって血中濃度などが変わる、あるいは白血球の数値が夜間には日中の倍近くに高まる、といったことは、すでにエビデンスのある“事実”です。
また時計遺伝子の変容が、メタボリックシンドロームや発癌のリスクを高める。

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メラトニンは体内時計と免疫の療法に重要な役割を果たしているらしいのである。「らしい」と書いたのは、クロノテラピーと同様に製薬企業が積極的に臨床試験を行わないから、確かなエビデンスが乏しいのである。フランスではクロノポンプを
使うことで医療費も抑制できると言っていた。しかし、日本の厚生労働省にとっては、医療費の抑制は「患者の負担を増やすこと」が唯一の解決策であり、製薬企業の利益にならないクロノテラピーの研究などは眼中になさそうである。フランス国立保険医学研究所のフランシス・レヴィ博士は「自宅治療ですから入院も必要なく、経費も少なくて済む。副作用がないので余分な経費もかからない。経済的なメリットが大きい」と言っていた。

メラトニンに関心があれば、右上の検索ボックスから検索してください。このブログでもたくさん取り上げているので、きっと必要な情報が見つかるでしょう。

奇跡のホルモン、メラトニン、
驚異のメラトニン
抗癌剤―知らずに亡くなる年間30万人 (祥伝社新書 (001))
メラトニン研究の最近の進歩


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