タイムドメインのDACを交換した

タイムドメインスピーカーに繋いであったONKYOのDAC-SE-U55SXの調子が悪くて、プチプチ音がするようになった。2008年9月の購入だから、まもなく5年になる。寿命かもしれない。同じ型番で後継機が14,000円ほどで買えるのだが、迷っていた。

タイムドメインシステムの開発者である由井啓之氏のTwitterに、タイムドメインスピーカーにはNOSDAC(Non-Over-Sampling-Digital-Analog-Converter)が最適だとつぶやいていた。なかでもDevilsound DAC V2.1 が最高だと書いていた。

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一般のDACはオーバーサンプリング回路が使われている。オーバーサンプリングとは、デジタルデータを元に信号を再生するときに、実際の周波数より数倍の高いサンプリング周波数を用いて処理を行うこと。余計に多くデータを取り、間引いたり補完したりして必要なデータや信号を得る。ノイズを除去するためのフィルタの設計が簡素で済み、ノイズを除去する際の信号への影響も少なくなるが、余分なデジタル処理が必要となるため高い処理能力が要求される。こう聞けば良いことづくめのように思えるが、実際には余計な処理をすることで、CDに記録された元のデジタルデータをそのまま取り出すことにはならない。

タイムドメインは、記録された音楽信号を、余計な処理をせず「何も足さない、何も引かない」再生を目指しているのであり、そのためにはオーバーサンプリングはじゃまになる。

しかしこのDAC、写真のように如何にも簡単な構造だ。小さなケースの中にすべての回路が収まっているだけ。これで本当にきれいな音が出るのだろうかと半信半疑で、ノートパソコンとアンプの間に接続してみた。

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foobar2000にwasapiでこのドライバを設定して、カフェ・ツィマーマンのバッハを流した。驚いた。音の解像度は良いが、かといって高音がキンキンするわけでもなく、長く聞いていても疲れない。低音も輪郭がはっきりしている。チェロの通奏低音でC弦の立ち上がりさえもピシッと聞き取れる。これまで聞こえなかった音が、例えばごく小さなハープの奏でる音が明瞭に聞こえる。

一般のスピーカーで女性のボーカルを再生するとサ行の音が強調され、破裂音が気になるが、タイムドメインのスピーカーではもともとそれが少ない。このDACに変えたらさらに小さく、注意して聞かなければわからないほどになった。

次に「松任谷由実40周年記念ベストアルバム」3枚組 ~日本の恋とユーミンと~ を試聴。昨年発売されて話題になったアルバムだ。
NOSDACを介して出てきたのは、懐かしい青春時代を思い出させるような、心地よい音。荒々しさがなく自然で優しい音だ。そう、この雰囲気はアナログレコードの音だ。

CDのリッピングはExact Audio Copyを使って高忠実度でflacで保存。再生はfoobar2000にwasapi排他モードを入れて、PCのオーディオエンジンは迂回させている。1bitも落とさないぞというつもりだ。さらにこのNOSDACで、タイムドメインにはCDに記録されたデータを「そのまま」伝達することができる。秋の夜長が楽しみになってきた。


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