黒澤明の「夢」

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暑い! あまりに暑いので、しばらく散歩はおやすみだ。熱中症になってはたまらん。涼しげな写真でもアップしよう。

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安曇野の大王わさび農場にある水車です。2006年に撮影した写真です。まだ膵臓がんが見つかっていなかったころのものです。この水車小屋は、黒澤明の映画『夢』のロケに使ったものをそのまま残してあるのだそうです。

『夢』は八話のオムニバス形式で、最後の「水車のある村」がここで撮影されています。

第四話「トンネル」は黒澤の戦争体験です。

なんと、今度は、全滅したはずの「第三小隊」の隊列までもが、トンネルの中から“私”の前に行進してきたのだ。
小隊長が、こう叫ぶ。
「小隊!止まれ!」
「中隊長殿に、敬礼!」
「捧げ~銃(つつ)!」
その号令と同時に、隊員たちは、“私”に向かって、いっせいに捧げ銃をしてきた。
しばらくの静止の後、小隊長は、再び号令をかける。
「直れー!」
そして、以下のように“私”に報告してきた。
「第三小隊、ただいま帰りました。」
「全員、異常なし!」
“私”は、嗚咽をこらえながらも、一言一言を噛み締めつつ、しっかりとした口調で、こう告げる。
「聞いてくれ!」
「お前たちの気持ちは・・・、よーく分かる。」
「しかし、第三小隊は、全滅した!」
「お前たちは、全員戦死したのだ。」
・・・しばしの沈黙。
「すまん」
…“私”は、心から彼らに詫びる。

「平和ボケ」した戦争オタクの偉い人たちが、売られてもいない喧嘩を買って、海外でも戦争をしたがっているようですが、もちろん自分が真っ先に戦場に行くんでしょうね。

「赤富士」は原子力発電所が爆発し、同時に富士山も噴火する。まさに3.11の直後に富士山で大きな地震があったことを思い出させます。黒澤はこう書き残しています。

猿は火を使わない。

火は自分達の手に
負えない事を知っているからだ。

ところが、人間は核を使い出した。
それが、自分達の手に負えないとは考えないらしい。

火山の爆発が手に負えないのは、わかっているのに、
原子力発電所の爆発なら、なんとかなると思ってるのは、

‥‥どうかと思うね。

高い木に登って、
自分のまたがっている木の枝を
一生懸命切っているいる阿呆に似ているね。

人間は間違いばかり起こしているのに、
これだけは絶対間違いは起きないなんて、
どうして云えるんだろう。

それも、もし間違えたら、
おしまいだと云うのに、
どうして、そんな事が云えるんだろう。

大方の人は、それから眼をそむけている
問題が、あまりにも大きくおそろしいからだ。

黒澤明

25年も前にこの映画を作った黒澤明の、本質をずばりと突く先見性に脱帽です。「安全神話ボケ」した原子力ムラの住人たちが、性懲りもなく原発を稼働させようとしています。「美しい日本」を「住めない日本」にしたいのだろう。

最後は「水車のある村」:静かな川が流れる水車の村に着く。壊れた水車を直している老人に出会い、この村人たちが近代技術を拒み自然を大切にしていると説かれ、興味を惹かれる。老人の初恋の人であった老婆の葬式では、村人は嘆き悲しむ代わりに、良い人生を最後まで送ったことを喜び祝い行進するのであった。

 こんにちは・・・・・ こんにちは
 はい こんにちは
 この村は何と言う村ですか?
 名前なんかないよ。わしらはただ「村」と呼んでいる。よその連中は「水車村」と言ってるがね。
 この村の人はみんなここに住んでるんですか?
 いやぁ、住んでる村は別にある。
 ここには電気はひいてないんですか?
 あんなものは要らない。人間は便利なものに弱い。便利なもの程「良いもの」だと思って、本当に「良いもの」を捨ててしまう。
 灯りはどうするんですか?
 ロウソクもあればタネアブラもある。
 夜は暗くないですか?
 暗いのが夜だ。夜まで昼のように明るくては困る。星も見えないような明るい夜なんて嫌だね。
 田んぼがあるようですが、耕運機も収穫用のトラクターも無いようですね。
 そんな物は要らん。牛もいれば、馬もおる。
 燃料には何を使ってるんです?
 主にたき木を使う。生きている木を切るのは可哀相だが、けっこう枯れる木もあるから、それを焚き木にして使っている。それに木を炭にして使うと何本かの木が大きな・・・・・
そうだ、牛の糞もいい燃料になる。

全景はこんな感じです。

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便利なものを買うためにあくせく働く。ものを買うと時間を失うことになる。スマホを持てば使うための時間が必要になるが如くである。こうしていつのまにか、本当の自分を見つめる時間を失っていく。

せっかくがん患者になったんだから、これまでの生き方や考え方を変えてみなくては損だろうに。

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