はなちゃんのみそ汁

24時間テレビ ドラマスペシャルで『はなちゃんのみそ汁』が放映された。だが私は見ていない。がん患者を主題にしたお涙頂戴のドラマや、闘病記は見たくも読みたくもないからだ。見ていないからドラマの内容についてあれこれと意見を言う立場にはない。

ただ、ネット上でブログやツイッターを閲覧していると、「感動した!」「食事は大切ですね」とかの意見と、玄米菜食でがんが治るかの幻想を与えかねない、乳がんが縮小したのが玄米のおかげだと断定している、だのとの批判的な意見もたくさんあった。私もどちらかというと後者に近い先入観を持っていた。

しかし、ご本人(亡くなったあとはご亭主)の書かれているブログ『早寝早起き玄米生活 ~がんとムスメと、時々、旦那~』の記事やコメント欄を読んでいたら、こんな記述にであった。

代替療法のことを書かないのには、理由があった。
まず、私は医者ではない。
がんの治療は、人間に一人として同じ顔がないように、人によって治療も全く異なってくる。100人癌の人がいたら、100人とも治療法は異なる。
ある療法が私に効いたからといって、他の人に同じ療法が効くとは絶対に言えない。

自分がやっていることを人には強制しないし、できない。
また、自分がやっている方法が良いとも言えない。
ただ、実感として、今やっている方法で全身に散らばっていたがんが縮小の方向を向き、体調が明らかに良くなっていることは確か。
でも、ただ、それだけのことだ。

病気になった人が、自分で探して一番合う方法が見つかった時、それがその人の代替療法になるのではないだろうか。
それは、人に聞いても見つけることはできないものだと感じている。
自分の足で探し、相性の合うところを見つけ、そして一番自分に合ったものをこつこつと続ける。
私のベースは、早寝早起き玄米生活。
まだ、第一歩を踏み出したばかりです。

いや~、これなら代替療法に関する私の考えとほとんど同じですね。旦那(安武信吾)さんからの、こんなコメントもあった。

食事療法は、がん患者それぞれにカスタマイズしなければ、快方に向かわないと思っています。
ももさんには、どんな食事療法が合うのか、ぼくには分かりませんが、どんながんにもマクロが合うかと言ったら、そうではないような気がします。
それで、誰もが良くなるのならば、もうとっくに、がんの治療については解決しているはずです。

また、マクロビでがんが絶対に治ると考えている方に対して、さくらさん(千恵さんのブログ名)は、

以下、さくら談

マクロビオティックの創始者、ジョージ大沢さんは、肉、魚など動物性たんぱくをとってはいけないと一言も言っていないはずです。

ももさんのコメントを読んで、非常に危機感を覚えています。

もし、そのような勘違いをする方がたくさん、いらっしゃるのならば、私はこのブログを閉鎖しなければならないと考えています。

がんの患者さんが10人いれば、10人とも、それぞれまったく違う治療方法になるはずです。

マクロビオティックで、すべてのがん患者が快方に向かうとは、私も思っていません。

かえって、それで悪くなる人もいます。

クシミチオさんも、ご自身の奥さんのがんをマクロビオティックで治すことはできませんでした。

食事療法は、自分に合った先生の助言を受けながら日々、慎重に進めていくべきでしょう。

私も我流ではなく、実績のある先生に食事療法を指導していただいています。肉や魚、乳製品をとることもあります。

私には私に合う方法、ももさんには、ももさんに合う方法があるはずです。私がやっていることが、がん患者全員に効果があるということは絶対にありません。

結局、いろんな情報を精査し、自分に合う治療方法を見つけ出し、自分が主体となって病気を治すしかないと思っています。

とコメントを返していた。しごく真っ当な考え方だと思う。久司道夫氏に関して言えば、彼の奥さんが子宮頚がんで亡くなったとき、彼女のマクロビが久司道夫の方法と異なるものだったから、癌が進行し夫人の命を奪ったのは医学的(反マクロビ的)な治療を「うかつにも」受けてしまったからだと述べている。(久司道夫『マクロビオティックをやさしくはじめる』P200~202)

「これをやればがんは治る」「治らないのはあなたのやり方が悪かったからだ」とは、多くの代替療法家が持ち出す言い逃れだ。肉や魚、乳製品を取ったから再発したんだと言いかねない。

さくらさんのほうが遙かに真っ当ですね。

私のブログでも安保徹や済陽高穂、石原結實らを批判しているが、それらの療法を取り入れている患者さんに対しては、反対する気も、批判するつもりもない。ご自身で判断されて、自己責任でやっている、本人が効果があると感じているのなら私があれこれいうことはないし、逆に無責任だからだ。少なくともプラシーボ効果くらいはあるかもしれないではないか。「あなたが批判していたので止めたら、亡くなったではないか」と言われても、因果関係を科学的に示しての反論などできやしないし、責任の取りようもないからだ。

24時間テレビドラマの最後には「このドラマは闘病記を元にしたフィクションです」というテロップが流れていたようで、だとすると、視聴率稼ぎのために都合良く作り上げたドラマだったのかという気がする。


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