DPP-4阻害薬とSU薬の併用で低血糖リスクが1.5倍

Web交流会のご案内

【日 時】2021年2月7日(日) 13:00~16:00(開場:12:45)
【場 所】Zoomを使ったオンラインの交流会です
【対 象】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参加費】無料
【定 員】20名
【内 容】
第一部 「がんゲノム医療とリキッドバイオプシー」について患者の和田さんが解説
第二部 患者さん同士の交流会

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。

参加申込受付中です。
詳しくはオフィシャルサイトで


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膵臓がん患者では血糖値の管理に気を遣っている方も多いです。HbA1cも気になるけど、怖いのは低血糖。高血糖ではすぐに命に関わることはないですが、低血糖では場合によっては痙攣を起こすなど、生死に関わる自体になりかねません。

低血糖になったら

日経メディカルに大西淳子さんの『DPP-4阻害薬とSU薬の併用で低血糖リスクが1.5倍』との記事が載っていました。

DPP4阻害薬とSU薬(アマリールなど)を併用していると、低血糖のリスクが1.5倍以上になるというメタアナリシスの研究結果です。

 経口糖尿病治療薬の中では、DPP-4阻害薬とスルホニル尿素(SU薬)を併用した場合に低血糖リスクが上昇するという報告がいくつかある。仏Bordeaux大学のFrancesco Salvo氏らは、系統的レビューとメタアナリシスを行って、両者の併用はSU薬とプラセボ併用に比べ低血糖リスクを約50%上昇させると推定した。詳細は、BMJ誌電子版に2016年5月3日に報告された。
 著者らは、DPP-4阻害薬とSU薬を併用した場合の低血糖リスクを、SU薬単独の場合と比較するために、系統的レビューとメタアナリシスを計画した。Medline、ISI Web of Science、SCOPUS、コクランセントラル、臨床試験登録(clinicaltrial.gov)に2013年10月15日までに登録されていた研究の中から、プラセボを対照とする無作為化試験で、2型糖尿病患者50人以上を登録して、DPP-4阻害薬とSU薬を投与していた研究を選んだ。
 同じ研究の重複やデータに不備があるものを除き、最終的に10件のRCTがメタアナリシスの対象に組み入れられた。それらは6546人を登録しており、4020人がDPP-4阻害薬とSU薬、2526人がプラセボとSU薬に割り付けられていた。追跡期間は、9件が24週以下だった。4件はメトホルミンも治療に用いられており、2件はインスリンの使用も許可されていた。DPP-4群の4020人中2096人には全量投与が行われており、726人には低用量が用いられ、1198人は用量は不明だった。
 低血糖はDPP-4群の479人に発生。うち311人は全量投与を受けた患者で、67人は低用量を投与された患者、101人は用量不明の患者だった。低血糖の絶対リスクは11.9%になった。プラセボ群では2526人中169人が低血糖を経験した。絶対リスクは6.7%だった。プラセボと比較した、あらゆる用量のDPP-4阻害薬の低血糖のリスク比は1.52(95%信頼区間1.29-1.80)で、研究間の不均一性は低かった(I2=20%)。インスリンの使用を許可していた試験のデータを除いた場合のリスク比は、1.61(1.30-2.00)だった。害必要数は、治療期間が6カ月以下の場合には17人(95%信頼区間11-30人)、6カ月超~12カ月以下では15人(9-26人)、12カ月超では8人(5-15人)になった。

私のスタンスは「新しい薬には飛びつかない」なので、DPP-4阻害薬は勧められても断っています。糖尿病管理の基本は「食事と運動」、それで管理できない部分を薬で少し手助けしてもらうべきです。DPP-4阻害薬は、発がん性も取りだたされており、膵がんの再発リスクが高くなるかもしれません。

糖質制限食を提唱されている江部康二先生は、ブログでの質問に答えて、次のように回答されています。少々引用が長くなりますが、膵臓がん患者にとっては大切なことなので、引用しておきます。

膵癌切除後の血糖値管理

江部先生、こんにちは。膵臓がん患者の血糖値管理についてお尋ねいたします。
膵臓がんで膵体部・膵尾部を切除した61歳のがん患者です。術後でも血糖値は正常であり、入院中はインスリンも数日投与しただけでその後は止めました。特に食事制限や指導もなく、普通の食事(糖質が結構多い)を続けて、アマリール1.0mgを朝夕の2回服用してきました。

しかし、数年後にはHbA1cが9.1%まで上昇したところで江部先生の著作に出会い、プチ糖質制限食を開始しました。外食や出張の折にはどうしても糖質の多い食事を摂ることが多くなります。ですから、プチ糖質制限食です。しかし、おかげでHbA1cも徐々に下がり、最近では6.0%まで落ち着いています。アマリールは0.5mgを1回に減量して服用してきました。空腹時血糖値は100~140mg/dLの間で安定しています。

しかし、たまに低血糖になるし、糖質の多い食事後は300mg/dLを越えることもあります。先生の言われる「質の悪いHbA1c」の状態ですね。そこで、ここの記事で言われているように、百害あって一利なしのSU剤アマリールからグルファストに変更し、糖質食を摂る直前に10mgを服用しています。そうするとだいたい220~240mg/dL程度ですが、ご飯の量が多い場合には300mg/dLを越えることがあります。糖質を摂らないときの食後血糖値は140mg/dL前後ですから、悪くはないと思います。

質問したい点は、
① 膵臓切除後、今は少量でもインスリンが生産されているようですが、これにむち打つ形でアマリール、グルファストを服用することに不安があります。αグルコシダーゼ阻害剤の方が良いのでしょうか? あるいはDPP-4阻害薬が適しているのでしょうか? 主治医の先生に訊いても「膵癌患者でのエビデンスはない」と言われるだけでした。
② 「質の悪いHbA1c」が続くと、膵がんの再発リスクも高くなるのではないかと考えられるので、①の対応を取ってもコントロールができなければ、スーパー糖質制限食にせざるを得ないと思います。その場合、膵頭部しかないがん患者の気をつけるべき点などはあるでしょうか?
先生のブログを拝見しても、血糖値やインスリンと発がんリスクの話題はありますが、すでに膵癌になってしまった患者としての対応方法に触れられた記事がなく、お尋ねする次第です。

Re: 膵癌切除後の血糖値管理
pancan さん
「① 膵臓切除後、今は少量でもインスリンが生産されているようですが、これにむち打つ形でアマリール、グルファストを服用することに不安があります。αグルコシダーゼ阻害剤の方が良いのでしょうか? あるいはDPP-4阻害薬が適しているのでしょうか? 主治医の先生に訊いても「膵癌患者でのエビデンスはない」と言われるだけでした。」

アマリールは12時間、β細胞を刺激しますが、グルファストは2時間なので害はかなり少ないです。αグルコシダーゼ阻害剤が有効ならそれが一番いいです。
「グルファスト+αグルコシダーゼ阻害剤」として、食後血糖値が180mgを超えないならそれがいいです。

「② 「質の悪いHbA1c」が続くと、膵がんの再発リスクも高くなるのではないかと考えられるので、①の対応を取ってもコントロールができなければ、スーパー糖質制限食にせざるを得ないと思います。その場合、膵頭部しかないがん患者の気をつけるべき点などはあるでしょうか? 」

スーパー糖質制限食が一番膵臓に優しいと思います。
米アイオワ大学とNIHが共同で、2011年8月から膵臓癌第4期の患者さんに、「ケトン食」を食べて貰う研究が始まっています。
2013年12月26日 (木)の本ブログ記事
「アイオワ大学+NIH」共同研究、ケトン食、肺ガン、膵臓ガン
をご参照ください。


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