膵がんの転移・浸潤に膵星細胞のオートファジーが関与

九州大学は5月9日、膵がん細胞の転移、浸潤に影響を与えている膵星細胞の活性化にオートファジーが関与している事を発見し、膵星細胞のオートファジーを抑制することが、新たな膵がん治療法となる可能性を見出したと発表した。

膵星細胞の活性化メカニズムとしてオートファジーに着目。膵星細胞に対してオートファジー関連遺伝子であるAtg7やAtg5遺伝子の発現を抑制したところ、膵星細胞の活性化が抑制され、さらに、膵星細胞から分泌されるInerleukin-6(IL-6)やコラーゲンの産生が抑制されたという。膵がん細胞株の浸潤能は、膵星細胞と共に培養することで亢進するが、今回、Atg7を抑制した膵星細胞と共培養を行うと、Atg7を抑制していない膵星細胞との共培養した場合に比べて膵がん細胞の浸潤が抑制されたという。

膵星細胞のオートファジーを抑制することにより、膵がんの浸潤、転移が抑制される可能性を示唆しており、今後、オートファジー抑制剤が新たな膵がん治療薬開発の鍵となる可能性が考えられる。

オートファジーとは、

オートファジー (Autophagy) は、細胞が持っている、細胞内のタンパク質を分解するための仕組みの一つ。自食(じしょく)とも呼ばれる。酵母からヒトにいたるまでの真核生物に見られる機構であり、細胞内での異常なタンパク質の蓄積を防いだり、過剰にタンパク質合成したときや栄養環境が悪化したときにタンパク質のリサイクルを行ったり、細胞質内に侵入した病原微生物を排除することで生体の恒常性維持に関与している。このほか、個体発生の過程でのプログラム細胞死や、ハンチントン病などの疾患の発生、細胞のがん化抑制にも関与することが知られている。(Wikipediaより)

東京工業大学の栄誉教授・大隅良典氏がが、オートファジーの仕組みを解明した功績から2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

まだ試験管とマウスでの実験ですから、実用化までには遠いが、早期に結果が出ると良いですね。


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