サイモントン療法とは?(2)
このエクササイズによる効果は絶大でした。同時に受けた放射線治療の効果もてきめんであり、さらに、放射線による副作用もほとんど示さなかったのです。そして放射線の継続治療の中間の時点で、患者は食事ができるようになり、また体力や体重も増加し、がん細胞は徐々に消滅し始めるようになりました。そして、ついに2ヶ月後にはがん細胞が消滅するまで回復したのです。
この患者は、長年患っていた関節炎にもこのイメージ療法のテクニックを応用することを決心しました。その結果、関節炎の症状は快方に向かい、関節炎の患者には無理なことと考えられている、水の中に浸かって川で釣りをすることができるほどまでに回復したのです。
ビタミンDの新たなエビデンス
代替療法については、はっきりした結論が出るまでには肯定否定の両論が出るのが通常であり、だからこそ「代替療法」なわけですから、一喜一憂せずに患者としては次のように考えておけば良いでしょう。ビタミンDに関しては、このブログでもたびたび取りあげていますが、肯定的な論文がいくつも出ています。私もかれこれ10年くらい、ビタミンDを毎日1000IU摂っています。代替療法に関しては次のような基準を考えて選択してます。
●人間に対象にした、ある程度の臨床試験によるデータ(エビデンス)があること
●重篤な副作用が無いこと
●理由もなく高価でないこと
この基準に合うサプリメントとして、EPA/DHA、メラトニン、ビタミンDの3種類だけを摂っています。
サイモントン療法とは?(1)
サイモントン療法は、アメリカの放射線腫瘍医カール・サイモントン博士により開発された、がん患者さんとご家族のための心理療法です。
1960年代、サイモントン博士が臨床の現場に実際に立った時、ある矛盾に直面しました。同じ診断のくだっている患者さんに対して、全く同じ治療をしているのにもかかわらず、ある人はどんどん元気になり、がんが退縮して、中には消失する人もいる。ところが、ある人はがんがどんどん悪化して、中には死を迎える人もいる。こういう矛盾に直面しました。一度だけではなく何度もこのような矛盾に直面したのです。ここでサイモントンは、一体何が医学に欠けているんだろうか、そして実際に患者さんにとって必要なものは一体何だろうかという風に悩みます。ここでじっくりと患者さんを観察していった結果、どうやら希望を持って日常生活や治療に取り組んでいる患者さんというのは予後が好ましいという風に観察しました。それとは反対に、絶望感に苛まれて治療や日常生活を送っている患者さんというのは、どうも予後が好ましくないということを観察したのです。