膵臓がんの臨床試験:WEE-1阻害薬

日経メディカルに、3月29日から4月3日まで米国アトランタで開催されたAmerican Association for Cancer Research(AACR2019)の速報が載っています。

未治療の局所進行膵癌患者に対し、Wee1阻害薬adavosertib(AZD1775)とゲムシタビン、放射線療法の併用療法で、第1相試験です。

AZD1775はWEE1キナーゼ(G2チェックポイントser/thr protein kinase)阻害薬で、TP53欠損腫瘍細胞をDNAダメージ感作する。

正直、専門用語が多くてよく分かりませんが、細胞の4つの分裂周期にはそれぞれチェックポイントがあり、それをコントロールしているタンパク質の1つがWEE-1と呼ばれているものらしいです。

G”/M期のチェックポイントを阻害するようです。

細胞周期とチェックポイント

この記事はミシガン大学の臨床試験結果を照会していますが、その結果は、

有効性については、追跡期間中央値15カ月において、全対象の全生存期間(OS)中央値は21.7カ月(95%信頼区間:16.7-24.8)となった。AZD1775の用量が150mgまたは175mgだった患者では、OS中央値は22.5カ月だった。Cuneo氏は「局所進行膵癌患者のOSのヒストリカルデータは11-14カ月であり、今回行った治療は期待できるもの」と話した。

局所進行膵癌の全生存期間は11~14ヵ月であるが、この試験では21.7ヵ月または22.5ヵ月だったと言いますから、約2倍になっています。

WEE-1阻害薬には、抗がん剤の増刊作用、放射線感受性の増刊作用があり、がん細胞を死滅されるのに効果を発揮するということらしいです。

日本でも、アストラゼネカ社が固形がんを対象に、カルボプラチンおよびパクリタキセルと組み合わせて第Ⅰ相臨床試験を進めています。

国立がん研究センター東病院の土井俊彦医師と北海道大学病院の山本昇医師が責任者で実施しているようです。


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