がん一般
医者と患者のすれ違いはなぜ起きるのか?
「科学的な個別性」を患者は求めているわけですが、近年、個別化医療(プレシジョン・メディシン)に力を入れられています。患者の「自分に効く治療法」への要求にある程度は応えられる望みが出てきています。
しかし、まだまだ時間はかかりそうです。患者個人に対して、確実に効果のある治療法をする、そのために現場で使用可能な個別化ツールはまたアバウトです。
現状では、患者も医師も、未熟な部分にはある程度の妥協を許すという考え方が求められているのだろうと思います。
統計は、目前にいる生身の患者の代わりにはならない。統計は平均を表わすものであり、固体を表わさない。医薬品や治療に関する医師個人の経験に基づく知恵ー臨床試験の成績から得られた「ベスト」の治療法が、その患者のニーズや価値観に適合するかどうかを判断する医師個人の知識ーに対し、数字は補足的な役割でしかない。
今日の一冊(114)「がんを抱えて、自分らしく生きたい」
「自分も自分の治療チームの一員として参加したい」。この言葉をブログでも何度か使ってきました。西先生も、この本の中で同じことを言われているので嬉しくなりました。
また「医療の民主化」。これもこの本が掲げるキーワードのひとつです。
医療に自分の生き方を合わせるのではなく、自分の生き方に合わせて医療を味方にして歩んでいってほしい、と語ります。それが医療の民主化を進めることにつながります。
インターネット上で活躍する医療者が増えています。皆さんそれぞれ、患者さんの利益のため、幸福のために頑張っているのですが、そのスタンスや考え方は微妙に違います。そういう目でこの本を読んでみることで、新しい発見があると思います。
血液中のがん細胞をレーザーで破壊する
この治療法は被験者として集められたがん患者28人のうち、27人のがん細胞を正確に検出することに成功しており、加えてがん細胞が静脈を流れる際には、高い確率でリアルタイムにがん細胞を破壊することに成功しています。
この技術はがんの転移を大幅に抑制できる可能性を秘めている。
転移性がんの元となる「循環がん細胞(CTC)」が安定する前に破壊することで、転移性がんの発症を抑制することが可能となります。また、単純にCTCがどの程度体内に存在するかを数えることができれば、医師は転移性がんについてより正確な診断および治療が行えるようになると考えられてきました。
低出力でのCTC検出モードであっても6人の被験者のCTCを破壊することに成功しており、「ある患者の体内では96%のがん細胞を破壊することに成功しました」とジャーロフ氏は説明しています。
サイモントン療法とは?(8)
私たちの思考は四六時中、あらゆる方向に飛び回っています。いわゆる”モンキー・マインド”と呼ばれる状態なのです。一日中携帯電話にしがみつき、ゲームに熱中し、テレビドラマに時間を費やす。電子メール、電話、その他もろもろが、私たち自身の心の中の世界とのつながりを失わせています。檻の中を意味もなくただ動き回っている猿のように。
こうした”モンキー・マインド”から抜け出す最も重要で、しかし最もないがしろにされていることが、ジョン・カバット・ジンは次のように言います。
「毎日、一定時間一人になり、自分自身と対話することである」と。
それが自分自身に対する究極の愛の行為である。
今日の一冊(113)「死に逝く人は何を想うのか」
佐藤由美子さんは、ホスピス緩和ケアを専門とする米国認定音楽療法士です。長年米国のホスピスで音楽療法を実践してきた方です。またブログ「佐藤由美子の音楽療法日記」も開設されています。
大切な人との別れは辛いものです。あまりの辛さに誰もが打ちひしがれてしまいます。
私たちは、死に逝く人の気持ちがわかりません。何かをしてあげたいのに、何をしたらいいのかが分からない。どうすれば末期の患者さんの心に寄り添い、サポートできるのだろうか。
佐藤さんの1200人以上の人生を見届けたホスピス音楽療養療法士の経験から、多くの実話を紹介して「見送り」に必要なことが説明されています。
これまで気づかなかったこと、なるほどそうなのかと言う内容が盛りだくさんです