NHKスペシャル「シリーズ 人体Ⅱ 遺伝子」第1集
NHKスペシャル「シリーズ 人体Ⅱ 遺伝子」第1集を見ました。
ゴミが宝の山に
人体にとって必要なタンパク質を作る際の設計図と言われる遺伝子は、DNAの中のわずか2%にすぎません。残りの98%は、役に立たない「ゴミ」だといわれてきましたが、最近そのゴミこそが「宝の山」と分かってきました。
これは、遺伝子関係の最近の書籍でも触れられていることで、目新しくはありませんが、その仕組みをすばらしいCGで分かりやすく説明していました。
98%のDNAの中には、「病気から体を守るDNA」も見つかり始めています。ヘビースモーカーでも肺がんにならないのはなぜか? 実は、タバコから肺を守る力を高めるDNAを持っている人がいるのです。このDNAには肺の炎症を抑える働きなどがあると考えられ、肺の病気のリスクを、最大80%も下げていることがわかりました。
ほかにも、がんを防ぐ力を高めるDNAや、アルツハイマー病を抑え込むDNAなど、健康や長寿の鍵を握るようなDNAが、ゴミと言われていた98%の部分に潜んでいたのです。
これらの「ヒーローDNA」が見つかれば、これまではがんの原因となったDNAを探して知慮いう薬を開発してきたのですが、がんにならないDNAを活性化させる治療薬が開発できるかもしれないのです。
番組で紹介されたオックスフォード大学のステファン・フレンドさんがTEDで講演した動画を見ることができます。
遺伝子のスイッチ、エピジェネティクス
今回の第一集は序章でしょう。なぜならエピジェネティクスに触れられていないからです。遺伝子は、自分がいつ活性化して必要なタンパク質を作れば良いのかを、判断することはできません。そのスイッチは外部から押される必要があるのです。
その役割を果たしているのがエピジェネティクスと言われる機能です。そしてそのスイッチは私たちが考え方や生活を変えればONからOFFにもその逆にも切り替えることができるのです。
命の設計図と言われる遺伝子には、いわばスイッチがあり、オンとオフを切り替えれば、その働きをがらりと変えることができます。すでに、がん治療の最前線では、そのスイッチを薬でコントロールする治療が可能になっています。そして、肥満などの体質を決める遺伝子から記憶や音楽などの能力に関わる遺伝子まで、全てスイッチがあり、コントロールできる可能性が浮かび上がってきました。
このブログでも、そうした遺伝子のスイッチの働きを書いております。
12日に放送される第2集では、こうしたエピジェネティクスの現象も取りあげられるのでしょう。
サイモントン療法で遺伝子のスイッチを操作する
こうした遺伝子の解析によって、心のありようが健康にもがん細胞を抑えることにも関係しているということが、ますます明らかになりつつあります。心とがんの関係も更に解明されるに違いありません。
そして、この遺伝子に働きかけることのできるツールを、私たちは既に持っているのです。それがサイモントン療法であり、マインドフルネス瞑想法、座禅やヨガです。
「念じればがんが治る」に科学的根拠が与えられつつあるのです。そのための正しい方法を知らなければなりません。
『膵臓がん患者と家族の集い』では、6月22日の次回講演にサイモントン療法を予定しています。
川畑のぶこ氏からは、考え方、生き方を変えることによってがんを治癒に導く方法が披露されるでしょう。