緑黄色野菜のがん予防効果。 世界初、科学的に証明

緑黄色野菜の抗がん効果に関してはこれまで、疫学的には様々なデータがあるといわれてきました。がん予防には野菜や果物、ファイトケミカルを摂ることはいわば常識のようになっていたのですが、これを科学的に証明したという報道がありました。毎日新聞の地方版に掲載されています。

緑黄色野菜:食べると大腸がん予防に効果 世界初、科学的に証明 /埼玉
◇県立がんセンターと筑波大の研究グループ

緑黄色野菜を食べると、大腸がん予防に効果あり。県立がんセンターと筑波大の研究グループは31日、緑黄色野菜の摂取が大腸がんの発生を抑えることを世界で初めて、科学的に証明したと発表した。27日に「米国科学アカデミー紀要」(電子版)に掲載した。

同センターの川尻要専門員によると、緑黄色野菜を多く取ると大腸がんの発生リスクを抑えることは疫学上の一般的な見解とされる。世界保健機関(WHO)も「野菜の摂取は大腸がんに対して予防効果がある」と提言しているという。

グループは、人間の大腸がんの原因となるβ-カテニンを分解する特定のたんぱく質が働かずに腸がんが多発する遺伝子異常のマウスを準備。これらのマウスに緑黄色野菜に多く含まれる有機化合物の一種のインドール化合物を含む飼料を与えた。すると、AhRと呼ばれる別のたんぱく質が活性化し、β-カテニンの分解を促進。がんの発生件数が、飼料を与えなかったマウスよりも3分の1近くまで低下することを発見した。

インドール化合物は特にブロッコリーやキャベツなどのアブラナ科野菜に多く含まれるという。川尻専門員は「野菜を多く食べる健康な食生活が、大腸がん予防に有効だと示せた。AhRを活性化させる物質を化学的に作れば、さらなる予防にもつながるかもしれない」と話している。【岸本悠】 (毎日JP 2009/8/1地方版)

今回は大腸がんに関する実験ですが、多くのがんに対しても有効だろうと推測できます。

がんに効く生活』(ダヴィド・S・シュレベール著)にも、

アブラナ科の野菜(キャベツ・芽キャベツ・チンゲン菜、白菜、ブロッコリー、カリフラワーなど)に含まれるスルフォラファンやインドール3カルビノール(I3C)には、強力な抗がん作用がある。一部の発がん物質を解毒する力があり、全がん状態の細胞が悪性腫瘍に変わるのを防いでくれる。また、がん細胞のアポトーシスを促し、血管形成を抑制する働きもある。

と記載されていました。この本のすばらしいところは、このような効果を記述するのに、必ず巻末に根拠となる科学論文を示している点です。その論文も膨大な数です。シュレベールがたくさんの論文を読破して自分の考えに根拠を与えているかを知るにつけ、驚くばかりです。

がんを予防し、治癒への道を選択したいのなら、肉を控えて野菜をたくさん食べる。これが「科学的に証明された」ということですよね。

逆に、緑茶のがん予防効果には確証が得られなかったという記事(全文はこちら)。

アメリカ健康最前線

緑茶の癌(がん)予防効果の確証得られず

過去20年にわたる51件の研究を対象としたレビューの結果、緑茶の癌(がん)予防効果については、未だ明確な答えが出ていないことが示され、医学誌「The Cochrane Database of Systematic Reviews(コクランシステマティックレビュー・データベース)」7月8日付オンライン版に掲載された。

今回のレビューでは、肝癌、乳癌および前立腺癌については緑茶による予防効果がある程度認められたものの、膀胱癌リスクは逆に増大する可能性が示された。食道癌、大腸(結腸直腸)癌、膵癌など消化管の癌では一致する結果が得られず、著者らは肺癌、膵癌、大腸癌の予防効果については限定された証拠しか認められなかったと記している。「これほど多数の研究について検討しても、緑茶の癌予防効果については明確にできない」と、筆頭著者であるドイツの癌研究グループ(Oncology Study Group)の一員、Katja Boehm氏は述べている。


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