がん患者だからこそ、生き甲斐を持っていますか?

素敵な記事が神戸新聞に掲載されています。すぐに消えてしまうでしょうから、全文を転記します。心と免疫系の関係はよく知られています。このブログでも心の有り様が、がんとの闘いには決定的に大切だと何度も書いています。

生きがい療法ユニオンが設立され、8月には設立総会、講演会もありました。千葉ポートメディカルクリニック院長の今村貴樹先生も講演しているようです。

がん患者の「組合」生きがい療法ユニオン

B_04472260
 手を尽くしたがん治療が受けられるよう“患者組合”として団結し、医療機関に説明を求めるなどの活動を目指す全国組織「生きがい療法ユニオン」(岡山県倉敷市、米野久男代表)が発足した。副代表には45歳で卵巣がんの手術を受け、その約3年後、欧州アルプスの最高峰モンブラン(4811メートル)に登頂した神戸市北区の番匠(ばんじょう)和美さん(73)が就任。「患者は不安が尽きず、立場も弱い。同じがん経験者としてお手伝いできることがあれば」と話す。

 同ユニオンは、生きがいや笑いを活力にがんを克服しようという「生きがい療法」の提唱者で、倉敷市の「すばるクリニック」の伊丹仁朗院長(心療内科)が呼び掛け、発足した。患者自身ががんについて学び、前向きに治療に取り組もうとしても、標準治療で改善が見込めず緩和ケアの対象になると、積極的な治療が受けられなくなる事例を相次いで知ったことがきっかけ。任意団体で、伊丹院長やがん患者、家族ら約50人でつくる。

 番匠さんは1986年、伊丹院長ががん経験者とモンブランに登る計画を立てていることを新聞で知り、院長が当時、非常勤で働いていた神戸市内の診療所を訪問。「山登りの経験は全くないけれど、参加したい。モンブランの麓まででいい」と訴えると、伊丹院長はメンバーに加えてくれた。卵巣がんの手術を受けた病院の医師も、「ぜひ行ってらっしゃい」と太鼓判を押した。

 「世間ではがんは死に直結した病で、手術した人が山に登るなんて考えられない時代。でも、目標ができた途端、気持ちが奮い立った」と番匠さん。伊丹院長や他のメンバーと六甲山や六甲山系摩耶山、雪が残る富士山などに登り、本番に備えた。

 モンブランに挑戦したがん経験者は東京から広島までの7人。87年8月、全員が頂上に一番近いバロー小屋(4360メートル)まで到達し、番匠さんを含む3人は頂上を極めた。「吹雪で何も見えなかったけれど、すごく達成感があった」

 番匠さんは伊丹院長と出会うまで、ひどいうつ状態に陥っていた。絶対の自信があった健康を失い、絶望から一時は水も飲めなくなった。手術が成功した後は再発の恐怖におびえた。当時勤めていた会社に復職しても皆が自分を避けているように思え、孤独だった。

 「がんになってもできることはたくさんある。伊丹院長が『生きがいを持って励め』と言い続ける理由がよく分かった」

 帰国後は、日本百名山を全て登り切ろうと決意。2007年8月に100カ所目となる越後駒ケ岳(新潟県)を踏破した。今は、2年前から始めたクラシックギターも楽しんでいる。

 仲間の存在の大切さを身をもって経験した番匠さんは、同ユニオンについて「治療をめぐって病院と議論するのは難しいだろう。でも、困っている患者の話し相手にはなれる。できることから始めたい」とする。

 同ユニオンは今年8月に岡山市で設立総会を開催、今後は学習会や他のがん患者団体との交流会も開く。問い合わせは事務局ファクス086・525・8655(電話兼用、月・火・金曜の午前10時~午後3時)

(坂口紘美)

(2011/09/16 11:50)


膵臓がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ 膵臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

お薦めの本

次の記事

放医研の『虎の巻』