ファシズムは笑顔でやってくる

ショスタコーヴィチの交響曲第7番『レニングラード』を聴いている。バーンスタイン指揮のシカゴ交響楽団の名演奏。世界一パワフルなオーケストラといわれるシカゴ交響楽団の第1楽章は、消え入るようなピアニッシモから、別働隊の第2金管群も加えた圧倒的な大音響へとクレッシェンドしていく。これが次第に増大していく恐怖の直接的な表現となっている。「人間の主題」「平和の主題」から、軍歌の足音のような小太鼓が登場して「戦争の主題」に置き換えられていく。

平和な生活の中から、小さなファシズムの萌芽が立ちあがり、次第に圧倒的なファシズム=戦争へと突き進んでいく様を表したものだといわれている。

最初は取るに足りないと思われていたファシズムが、気がついたら自分のまわりに取り返しのつかない大きさに成長していて、ついにはすべてを恐怖でねじ伏せてしまうのである。

今日10日は秘密保護法が施行された。外務省・防衛省の秘密指定は6万件に上るという。その他も合わせると47万件にもなり、今後も増え続けていく。

これらの秘密を漏らしたものには最高で懲役10年の懲罰が科せられる。秘密を知ろうとした者には最高で懲役5年である。

国家安全保障会議(日本版NSC)も設置された。こうして、自分には関係ないだろうという多くの国民の無関心をエネルギーにして、徐々にファシズムへの道が準備されていく。東京新聞は主張欄と特報を総動員して秘密保護法の危険性を訴えている。このままでは「知る権利」も「プライバシー」もいつのまにか浸食されていることになりかねない。

マスコミの予想が出つつあるが、総選挙の議席数で自公で憲法改正の発議に必要な2/3の議席を越えるかも知れないという。集団的自衛権の解釈変更、憲法9条の改定が日程に上る日も近いかもしれない。しかし、この国民の無関心はどうしたことか。戦争などあるはずがないとでも考えているのか。

かつてナチス党が全有権者の過半数を得たことは一度もありません。国民が選挙にそっぽを向いて投票率が下がったことがナチス党が勝った要因でした。 そして若者を中心とした失業者、貧困層に幾ばくかの仕事を与える政策をとったことでナチス党が支持を伸ばしていったのです。現在の日本も似た状況です。将来に希望が持てないから、いっそのこと何もかも壊してしまえという風潮になっているのです。

選挙予測では共産党の議席が倍増しそうだというのが、唯一の救いですが、たかだが20議席を得たとしても、圧倒的な与党と与党にすり寄っているその他の野党の前ではどれほどのことができるのか。とはいっても比例は共産党しか、私には選択肢がない。小選挙区で共産党と野党の共闘が実現していればと思うのだが、無い物ねだり。沖縄のようにどうしてできなかったのか。

ファシズムは、笑顔でやってくるのです。


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