ボクの妻と結婚してください

『ボクの妻と結婚してください』最終回をビデオで見た。このドラマ、膵臓がんの方のブログではほとんど触れられていません。気にはなるけど、切実すぎる問題だからでしょうか。

あらすじは・・・。

バラエティ番組の放送作家の三村修治は、「楽しい」ことを追及して仕事一筋でやってきたが、膵臓がんで余命が6か月と宣告されてしまう。遺される家族を支えてくれる人を探すことを最後の企画として立案し、妻に替わって再婚相手を探すこととなる。信頼できる仲間の手を借りながら、妻の再婚相手を探すため、三村は奔走する…。

私の場合は、余命を宣告されたわけではなかったが、手術後の病院のベッドの上で「膵臓がんは、たぶん助からない。遺される家族の生活をどうするか」と、やはり考えたよな。それで、元気なうちに田舎の墓を東京に移転しよう。妻の両親の墓がこちらにあるから一つにしよう。もう一つは、退院したら業者を呼んで、自宅をマンションに建て替えよう。そのようなことを考えていた。二つとも実行したが、墓にはまだ入っていない。妻の再婚? 考えもしなかった。

修治は、死への恐怖を紛らわせるために「妻の再婚」というプロジェクトに没頭することを選んだのではないだろうか。そんな気がする。いや、紛らわせるのではなく、自分が生きた証しとして何かを残したかったのだろう。「何か」とは遺された家族の幸せだ。

最後の場面で、彩子と立木、息子の陽一郎が歩きながら話すシーンで「本当に信じていたかな、私と立木さんが結婚するって」という彩子のセリフがある。3人は修治の思いを知って、再婚するふりをすることにしたのだった。原作も同じストーリーになっている。

原作には、彩子が次のように言うところがある。

「最初は腹が立ってしかたがなかった。なんで妻の私に内緒で余命を生きるのか。でもね。わかったんだ、私が腹を立てれば立てるほど、悲しみが減るってことを計算してたんでしょ。さすがだね。一流のバラエティ放送作家だね。

だからね。私も考えたんだ。放送作家の奥さんとして一生懸命に考えたんだ。伊東さん、本当にありがとうございます。今日まで私の結婚相手を何一つ文句を言わず演じてくださって心から感謝しています。

私はあなたとの想い出だけでこれからずっと生きていけます。陽一郎をしっかり育てるからね。」

彩子の方が一枚上手だった。

修治のプロジェクトは失敗だったのだろうか。そうではないと思う。家族と友人の記憶の中に、修治の優しい生き様がしっかりと刻まれたはずだ。

修治の遺骨を灰にして、バルーンで打ち上げるシーンでは誰も泣いていないで笑っていた。このバルーン葬、実は私も気になって以前に調べたことがある。「バルーン宇宙葬」となっている。気象観測用のラジオゾンデを打ち上げるバルーンを使っているようだ。一式188,000円。

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バルーン宇宙葬とは
遺灰を特殊な方法で巨大なバルーン(直径1.5m~2m)に詰め、大空へ飛ばし、散骨いたします。
大空へ悠々と旅立ったバルーンは約90分後、成層圏に達し、高度約30㎞付近で粉々に飛散し、自動的に散骨されます。
そして偏西風に乗り地球上空を回り続け、自然に還ることが出来るのです。

こういうのもいいなと。でも、墓を浅草に移しちゃったんだよな。


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ボクの妻と結婚してください” に対して4件のコメントがあります。

  1. 渡辺 より:

    原作者は三流のバラエティ作家だけどな

  2. 金魚 より:

    キノシタ さま
    樹木葬は永代供養のうえ、小スパも良くて素晴らしいですよ。
    骨壺使用の有無も選べるところがほとんどなので、土に帰りやすいところを選ぶ事を考えております。
    本当は千葉の某所が気に入ったのですが、遠いのでね。
    しかし、ケモ中は皆さん寝ると思うんですが・・・強者でしょうか~
    恥ずかしや・・現場の状況に気になることのみ多くて気づかれしますね。
    やれやれ。

  3. キノシタ より:

    金魚さん、
    >点滴中はほぼ爆睡
    とは、さすがに強者ですね。
    墓の問題は、私たち団塊の世代にとっては深刻です。今多くの地方の墓地が、都会に出て行った世代の移転によって檀家そのものが減少し、寺院の経営にも深刻な影響を与えているようです。妻の従兄弟も横須賀のお寺なのですが、「息子には嗣がせたくない」と言っている。
    いっそのこと宇宙葬にしてしまえば、息子達も墓の管理から逃れられるのでしょうが・・・。

  4. 金魚 より:

    キノシタ さま
    墓問題は奥が深いですよね~
    ウチは父が87才で亡くなった時に、父の実家?と考えましたが、神道なのに我が家では神棚すらなく・・・
    母が墓参りに行ける距離でもないということで、却下されました。
    しかし、母がそのときに樹木葬に惹かれていざと思ったら、母の樹木葬への熱が冷め・・・
    父は未だ我が家の本棚におります。
    私としては、3000冊以上の書籍、大量のLPレコードに埋もれて居ることを趣味としていた父なので、それも良いかと思いますが、おいおい母が亡くなったらば、やはり樹木葬にしようともくろんでいる次第であります。
    ちょうど、市内に対応する寺も出来たことで、今のところでありますがハナミズキの下に家族で眠ろうかなと思うのです。

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