栄養を摂らないと膵臓がんは長生きできないよ
膵臓がんでゲルソン療法とか、大量のジュース療法があります。患者の選択権として、私はべつに否定はしませんし、患者が納得しているのならよいと思います。でもそれらにはきちんとしたデータがあるのでしょうかね。
膵臓がんと栄養に関しては、こんな情報もあります。
今村先生の「がん患者のあきらめない診察室」で2年前の記事ですが、
<切除不能膵臓がんに対する栄養療法の有用性>
九州大学腫瘍外科が膵臓 Vol27 No.5 2012に発表したもので切除不能膵臓がんに対するEPA投与と並んで注目すべき発表です。
切除不能膵臓がん58例(ステージ4A 16例、ステージ4B 42例)成分栄養剤エレンタールを1日2包を12週以上服用した群をED群、それ以外を非ED群と分けた結果は以下になる。
- 体重の減少 ED群 ほぼ維持 非ED群 平均6.6%減少
- 総蛋白、アルブミン ED群ではほぼ維持 非ED群 総蛋白0.6低下 アルブミン 0.6低下
- 平均生存期間 ED群 443日 非ED群 191日 と大差がつきました。
この結果は膵臓がんに対する化学療法の中身が同じでも栄養療法の有無により平均生存期間に大差がつくことを示しています。
切除不能膵臓がんの治療は未承認の抗がん剤治療も確かに重要ですが比較的安く済む栄養療法の選択も重要になることを示した論文です。傾聴に値する論文でしょう。
好きなものを食べることも必要ですがエレンタールを飲む治療は命を長らえる治療として必要だと思われます。 2014年8月4日
こうして、プラセボ群を設定してきちんとしたデータが、ゲルソン療法などにあるのでしょうか。
体力がなければがんと闘えないし、がん細胞と闘う白血球もタンパク質からできているのです。栄養を摂らなければ死んでしまう、あたりまえのことです。
エレンタール:「本剤は、消化をほとんど必要としない成分で構成されたきわめて低残渣性・易吸収性の経腸的高カロリー栄養剤でエレメンタルダイエット又は成分栄養と呼ばれる。
膵臓がんの予後はやはり栄養と関係が深いのですね。私はPETで肺転移が認められたのでアブジェムを102回で休止して、5月の連休明けからフォルフィリノックスに変薬しましたが副作用、特に食欲不振がひどくて5日ぐらい絶食となってしまいます。アブジェム(80%)の時は1日半ほど食べられませんでしたが、その後大食いして体重を戻せてました。フォルフィリノックスの第1回目は標準量でしたが副作用がキツかったので、2回目はイリノテカンと5-FUを一段階減らして3週空けての投与となりました。それでも食欲不振はあまり変わらず体重が1割ぐらい減ってしまいます。3回目の投与は3週空けた明日です。体重は2kg減まで戻ってますが、担当医には投薬量をさらに減らしてもらうように頼んであります。経口栄養剤もゼリー系や液体系など色々と試そうとしてます。担当医にエレンタールを頼んでみます。黒髪が戻ってきたので薬が効いてないかと心配はあります。
inomak2015さん。
がん患者全体に言えることですが、がんが治る食事よりも、ベースとなる「がんと戦う体力をつける食事」が大切です。
食事療法ではがんは治りませんが、食事療法をしなければがんは治りません。
佐藤典宏先生のブログにも貴重な情報がたくさんあります。
https://satonorihiro.xyz/post-7126/
5yearsのはなさんでしたか。弟さんには未成年のお子さんが3人いらっしゃるのでしたね。肝臓に転移とはご心配に耐えませんね。
少しでもQOLを保って、長く生きられることを祈念しております。
頑張ってください。
丁寧な返信ありがとうございます。アヘンチンキは処方されていません。エレンタールを飲むと15分ほどでお腹がゴロゴロしてくるそうです。手術は昨年9月にしています。が、今年の2月に肝臓転移を告知されました。何しろ体重が回復しないのが主治医としても次の治療の妨げになっているようです。エレンタールに替えて今は缶ジュースのようなものを処方されています。主治医とよく相談してみます。5yearsからこのブログにきました。ありがとうございます。
はなさん。弟さんのこと、ご心配ですね。
手術ができたのかどうか、文面では分かりませんが、膵臓がんの術後の下痢ならアヘンチンキでなければ止まりません。アヘンチンキは処方されているのでしょうか。私は術後8年になろうかとしていますが、いまだにアヘンチンキのお世話になっています。膵臓がん術後のこの下痢は一生続くと主治医から言われています。もっとも術後の初期のようなひどい状態ではないですが、夜寝るときは必ず紙おむつを穿いています。
アブラキサン、GEMの副作用による下痢なら、主治医とよく相談して適切な下痢止めを処方してもらってください。この場合もアヘンチンキが一つの選択肢でしょう。
食事は症状にあったものを摂るようにして、脂質を控えてカフェイン、刺激物を摂らないようにしましょう。例えば『がん研有明病院の肝臓がん・胆道がん・膵臓がん治療に向きあう食事』
http://amzn.to/2tPy3TA
には、「下痢のとき」のメニューとして、白菜とカニの豆乳スープ、ホタテ貝の中国風がゆ、カボチャとほうとう風煮込みうどんなどが載っています。試行錯誤しながら体に合うものを探しましょう。私の場合は牛乳を飲むと直ちに下痢になります。豆乳なら暖めて、直前にアヘンチンキを飲んでおけば、なんとか軽い下痢で済みます。
消化器系のがんでは下痢対策がQOLを維持する上でも大切ですね。
確かに体重減少は激しく私の弟などは40キロあたりをうろうろしております。ジェムザール+アブラキサンも減量しての投与です。食事は3割ほどでしょうか。主治医からいろんな形での栄養剤が処方されますが、どれも激しい下痢をおこしてしまいます。何かよい方法はないものでしょうか?
パインさん。ご指摘ありがというございます。
岩本→今村 でした。
典拠の先生のお名前は今村先生では?