膵臓がんには早期からの緩和ケアが必須
女優の八千草薫さんが、昨年の1月に膵臓がんの手術をして、今年肝臓に転移をしているのが見つかったと報じられていますね。
「男はつらいよ!寅次郎夢枕」にマドンナとして出演していました。寅さんがマドンナに愛の告白をされてしまうという展開でした。その恋のライバルとなるのが米倉斉加年さんのインテリ(大学の先生だったか)。
なんだか芸能人や有名人に膵臓がんが多いような気もしますが、気のせいですかね。
大津秀一先生が、八千草薫さんの膵臓がんの報道を受けて、「相対的に治療薬が少ない傾向がある膵臓癌の特性等もあり、その点でも十分なサポートが必要となります」として膵臓がんの緩和ケアの重要性を紹介しています。
膵臓がん患者には、早期からの緩和ケアが必要だとして、次のように述べています。
治療選択肢のある程度の限定性や、高度進行例の厳しい経過を考えると、早期からの緩和ケアの並行がかなり重要な腫瘍です。必須に近いと考えても良いでしょう。
また、膵臓がんの痛みの特性として、
不快感や重い感じ、気持ち悪さを伴う、など、一般的な切り傷や刺し傷、お腹の疝痛(せんつう。間欠的に激しく痛くなったり、痛みがなくなったりを繰り返す。その原因の1つは腸蠕動の痛み)とは異なった痛みであり、私たちは日常生活であまり自覚しない痛みなので、「痛み」との理解が遅れることがあります。
身の置き所もないような痛みに対しては鎮静も有効です。これができる医師にかかっていれば出来ると思います。
最近もPanCafeを通じて相談を受けましたが、膵臓がんの末期なのに治療もせず、かといって充分な疼痛管理もせずに我慢をしている。そういう患者も未だに多くおられます。勿体ない話しです。
痛みをきちんと対処することで余命も伸びるのですから、膵臓がんでは、初期からの緩和ケアを考えておくほうがよろしいでしょう。
大津先生のサイトや動画をも大いに参考になります。
進行の早い膵臓がんでは、何しろ経験のないことばかりに遭遇するのですから、患者や家族としても、治療に対する知識と同様に、痛みの緩和に対する知識、緩和ケアに対する知識を、早い段階から準備をしておけば、慌てずに対応できます。