膵臓がんの転移は、”前がん状態”ですでに起きている
膵臓がんの多くは再発・転移します。ステージⅠやⅡでも安心できません。
2021年の記事では、↓ 膵臓がん腫瘍に成長する前、すなわち前がん状態ですでに転移しているという名古屋大学の研究結果を紹介しました。
膵臓の細胞は癌になる以前に他臓器に転移し、そこでその臓器に成りすまして生着し、その後癌化して腫瘍になるという驚くべき生体が明らかとなりました。
- 一般的に膵癌は進行癌になってから他臓器に転移すると思われていましたが、実は癌細胞になる前から転移することが明らかとなりました。
- このように早期転移した細胞は、転移先の臓器に成りすまして隠れている事が判明しました。(検査では見つけることができない!)
膵臓がんは早期発見しても、だめじゃん!
ってことか?
マウスによる実験ですから、これがヒトにすべて当てはまるとは限りませんが、膵癌の高確率で転移するという臨床結果からは大いに考えられると思います。
さて、では膵臓がん患者はどうすればよいのか?
「隠れ転移」対策
- 術前・術後の抗がん剤治療によって前がん状態の腫瘍細胞を消滅させる。
最近は手術の出来る膵臓癌であっても術前に抗がん剤治療をする例が多くなっています。統計的にいってその方が術後の予後が良いというエビデンスがあるからですが、結果的に隠れ転移対策にもなっています。 - 手術が不可の患者も含めて、高い免疫能力を保つようにしましょう
運動、食事、睡眠、心の平安に関心を持ち、継続的に実行する。やはりこれが大切ですよね。転移するかしないか、その境界線上にある場合に、切り札となるのは患者自身の免疫力です。
などが考えられます。
要するに、「統合医療」で前がん状態に立ち向かう。シュレベールのこの本の内容は、今でも古くなっていません。
この名古屋大学の研究に関して、佐藤典宏先生の解説が動画でアップされています。
佐藤先生、いつも膵臓がん患者に向けた適切な動画をアップしていただき、ありがとうございます。