消化器外科医がいなくなる!

胃や腸、膵臓などの消化器臓器を手術する外科医が少なくなると、日本消化器外科学会が警鐘を鳴らしております。

消化器外科医の数は10年後には現在の4分の3に、20年後には現在の半分にまで減少することになります。

また更に、これまで莫大な時間外労働によって支えられてきた消化器外科診療は、2024年4月からの時間外労働上限規制(医師の働き方改革)により、診療に制限が生じる可能性があるなど、更に難しい状況が生まれてきます。

「胃癌です。今手術をすれば助かりますが、予約が一杯で早くて1年先になります。」なんてことが現実になるかもしれません。そして1年後に開腹すると「転移しており手術はできません!」

ってことに。

消化器系のがん患者にとっては悪いニュースです。

その原因は、

消化器・一般外科は唯一減少している診療科です。この事実は、消化器・一般外科の業務がとりわけ負担が大きく、診療科の選択として敬遠されてきたことを示しています。

一般にはあまり知られていないかもしれませんが、いくら病院で多忙を極めても、高度な医療を提供しても、わが国では基本的に診療科によって給与の差はありません。消化器外科医も同様です。どれだけたくさんの患者さんの生命を救う仕事をし、病院内で実績を上げても、残念ながらほとんどの病院では特別な手当てがある訳ではありません。

要は、医師数全体は増えている中で、激務で待遇も悪い消化器外科医を目指す学生が減っているというわけです。

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