がん患者とサプリメント

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厚生労働省の研究班の実態調査によると、がん患者の45%が健康食品を含む補完代替医療を利用していて、その96%を健康食品が占めているそうです。1人あたり平均月5万7千円を費やしているにもかかわらず、効果を実感している人は22%に過ぎずません。また、78%の人が、家族や友人からの勧めで代替医療を始めた、とされています。

このブログでは、補完代替医療はエビデンスがないのだから全てダメ、という立場は取っていません。詳しくは過去の記事を読んでいただくとして、「エビデンスがない=効果がない」とは言えないからです。

サプリメントに関しては『健康食品の安全性・有効性情報』の中の「素材情報データベース」が参考になります。これを使って、自分に適切なものを見つけるのか、その一つの例を「食事と運動は、がんの治療にも効果がある」に書いたことがあります。

その結果、現在私はマルチビタミン&ミネラル、ビタミンD、オメガ3、メラトニンのサプリメントを服用しているのです。

「がんが治る」かのように宣伝するサプリメントも存在しますが、サプリメント業界の裏事情を知る田村忠司氏が『サプリメントの正体』を出版しています。田村氏は、医療機関専用サプリメントメーカー「ヘルシーパス」の創設者で、この業界の裏事情をよく知っているのです。

サプリメントの正体

サプリメントの正体

田村 忠司
1,540円(10/24 17:51時点)
発売日: 2013/09/20
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「どこぞの秘薬」などといった特殊なサプリメントに安易に手を出すのはお勧めできません。ガンの種類や進行度にもよりますが、やはりお勧めなのは、基本的な栄養素の補給でしょう。がんと闘う免疫細胞がしっかりと働くためには栄養素を必要とします。リンパ球は必要十分な抗酸化物質がないと活性化しません。リンパ球ががん細胞の掃討作戦を行うと、活性酸素が大量に発生して、リンパ球自身もダメージを受けます。それを防ぐためにも活性酸素を消去する抗酸化物質が大事なのです。特にビタミンCはしっかりと摂取すべきでしょう。

サプリメントを摂るとしたら、がん患者に不足しがちな基本的な微量栄養素の補給のために、高性能のマルチビタミン&ミネラルを第一に選択すべきでしょう。

メーカーの選択も重要です。田村氏によれば、国内にサプリメントの製造工場は4000~5000カ所もあるそうです。このなかでGMPという医薬品レベルに準じた管理基準でサプリメントを製造している工場は120カ所程度しかないそうです。田村氏があるサプリメント工場の方と会ったときの会話で、「いろいろなサプリメントをただで飲めていいですね」とお愛想を言ったら、「まさか・・・。何が入っているのか、知っているのですよ。そんなものを飲むわけないじゃないですか」との返事が返ってきたと言います。

ラベルに書かれた栄養素の含有量は「努力目標」であり、書かれている通りに含有されていることの方が希、アミノ酸の原産国が中国で、原料に人毛と書かれていれば、大気汚染の深刻な中国の「人の毛」が使われているのです。人体に蓄積された重金属の多くは、髪の毛としてデトックスされるのです。それをサプリメントの原料として使用しているとしたら・・・・。いまやサプリメントの原料の90%以上が中国で生産されているのです。

ビタミン Cを例に取れば、天然物由来のものはわずかです。ほとんどが人工的に化学合成で製造されます。そのとき、目的の栄養素と「よく似た物質」ができることは避けられません。なかには「光学異性体」といって、構造がそっくりと反転している分子ができることもあります。これらの「よく似た物質」の体内での働きはよく分かっていません。悪さをすることもあります。この不純物は製造過程で取り除かれるのですが、どこまで精製するかは工場の判断に任されているのです。原価を安く抑えようとすれば、適当なところで精製を止めることになります。こうして、1kgのビタミンCの原料価格が、数百円から30万円までと、違ってくるのです。

当然ですが、サプリメントに関しては、安いものに良いものはない! のです。

たくさんのサプリメントを飲んでいるのなら、少し考え直してみる方が良いかも知れません。

ビタミン業界の事情が分かっておもしろい本ですが、高濃度ビタミンC点滴療法を好意的に紹介していることは問題です。医者からの聞きかじりだと言っているのですが、医療者でもない彼の限界でしょう。


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がん患者とサプリメント” に対して2件のコメントがあります。

  1. キノシタ より:

    naomi さま。丁寧なコメント、ありがとうございます。
    癌ではすぐには死にませんが、人間、食べられなければ簡単に餓死します。食べられなければ別の方法で栄養を補給すること、例えば”中心静脈栄養カテーテル”のような対策も大事ではないでしょうか。外科医や腫瘍内科医の先生たちは、切ることや毒を盛ることには長けていても、栄養のこととなると無頓着な先生が多いようです。
    栄養士、緩和医療専門医などの意見も聞いてみてはいかがかと思います。

  2. naomi kawaguchi より:

    初めてコメントを入れさせて頂きます。私事も交えてのコメントで失礼致します。
    膵臓癌の予後に関する情報を収集中に偶然、貴ブログを見つけ、読ませていただいております。
    76歳の母親が、1ヶ月半ほど前に膵頭部癌(中分子腺癌) の切除手術(幽門輪温存膵頭十二指腸切除、門脈合併再建)を受け、2週間ほど前に退院し、現在自宅療養中です。胆石除去のため検査入院中に、たまたま癌が見つかり、明らかな転移もなく、手術切除可能ということで根治目的で手術を受けましたが、実際開けてみると、3センチ(強)の大きさで、門脈を巻き込み、腸、胆管も圧迫、リンパ節転移(3~4箇所)もありました。ステージⅣB(海外規格:ステージⅡb)でした。再発の可能性が極めて高いという、(術前の見立てとは大きく違いました。)結果に愕然としましたが、剥離はなく、悪性部は全て切除したとの執刀医の先生の言葉に少し救われながら、今は過ごしております。とは言え、術後の後遺症で、吐き気を催し食べ物が、今もあまり入りません。その為体力が落ちており、再発予防策としての抗がん剤投与も、今の母親の体力では無理のようです。毎日、必死に体力回復、再発予防策のヒントになる情報はないかと、探しておりましたが、探しても探しても、不確かな情報の量が増えるばかりでした。しかし、貴ブログを拝見し少し今後の方向性が見えたように感じましたので、コメントさせていただきました。 
    今は、母親の体力回復を一番に考え、カロリーメイト(液体)などを食事と併用しているだけですが、今後は漢方(ショウ万寿霊ショウ) も取り入れようかと考えています。  
    おっしゃるように、癌は複雑構造でその治療方とその効果も人様々のように思います。
    不確実な情報でも、情報が多いに越したことはないので、集めた情報を整理しながら、母親の様態に即していると思われる、サプリメントや漢方など試していこうと考えます。

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