死んだら心はどうなるのか?

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予後の悪いがん、治らないがんを宿した患者は、死んだらどうなるのか? 自分がこの世にいなくなるとはどういうことか、死んだら心はどうなるのかに関心がある。

立花隆も7年前の膀胱がんが再発したようで、あらためて死後のことが気にかかるようになった。先日のNHKスペシャル『臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか』はそんな立花隆の死と心の問題を追及したドキュメントだった。

結論から書けば、目新しいことはなかった。死ねば心もなくなる、という私にとってはあたりまえのことを確認しただけだった。

脳には1千億個のニューロン(神経細胞)があり、それらがシナプス結合によってつながっている。(ニューラルネットワーク)

こられのニューロンのひとかたまり、ユニットが「うれしい」「熱い」「楽しい」などのさまざまな「知」「情」「意」「記憶と学習」をになっている。これらの全体、複雑系としての全体の働きの結果が「心(意識と無意識)」なのである。

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というようなことを、精神医学のジュリオ・トニーノ教授が説明していた。意識の量はニューロンの数とつながりの複雑さを使って、次のような数式で表すことができる。

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心(意識)はニューロン細胞の活動の総体的現象である。だから、脳が死ねば心もなくなる。霊や魂などと言うものは存在しない。あなたが死んだら、魂もなくなるが、あなたの生きた証しは別の人の記憶の中に残ることができる。その人もいずれは死ぬのだから、われわれ凡人の記憶はせいぜい100年の間だけこの世に残ることができるわけだ。

臨死体験や神秘体験はどうか。心臓が止まっても脳死状態では小さな電気を観察することができるそうだ。これまでは心臓が止まればすぐに脳死が始まると考えられていたが、実際には小さな脳電流が流れていることが発見された。

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その間に体験したことは、実体験と同じようにリアルな記憶として残っているらしい。現実の体験とまったく区別がつかない(区別できない)記憶としてである。

実は脳は騙されやすいのである。

脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫)ペンローズの“量子脳”理論』やフリーマンの『脳はいかにして心を創るのか』、ダマシオの『感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ』等の良書があるが難しすぎる。

「受動意識仮説」を提唱し、私のような門外漢にも分かりやすく書かれた前野隆司氏の『脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫)
』と、さらに東洋思想との関係も述べた『脳の中の「私」はなぜ見つからないのか? ~ロボティクス研究者が見た脳と心の思想史』は、人間とは何かーーということを真剣に考えている方には一読の価値がある、と思う。

死んだら心はどうなるのか。無くなる、ただそれだけのこと。

神や神秘体験や霊魂は、すべて脳が作り出したものとして説明できるのだ。これらが脳の外に存在しないと考えても、何ら矛盾しない。

ま、霊魂や魂の存在を信じることで心の平安が得られるのなら、無理に科学的に考えることもない。信じていれば良いと思う。


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