周回遅れの日本のゲノム医療

スポンサーリンク
【日 時】2019年8月31日(土) 13:10~16:30(開場・受付:12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分 Luz大森4階 入新井集会室
【参加資格】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参 加 費】1,000円(会場使用料及び資料代、講師謝礼)
【定 員】 130名
【内 容】
●講演:緩和ケア医 大津秀一先生「膵臓がんの緩和ケア~これだけはおさえておくこと~」(仮)
●患者さんどうしの情報交換会~フリートーキング

オフィシャルサイトはこちら
参加申込み受付中です。
LINEで送る
Pocket

タイトルは中村祐輔先生の口癖ですが、上昌広(医療ガバナンス研究所理事長)氏も同じことを丁寧に説明しています。

ゲノム研究を推し進める原動力は、個別化医療の推進だ。個別化医療とは、主にがんの診療分野で、がんのゲノム情報に基づき治療法を変更することである。この診断・治療法が普及すれば、多くのがん患者が正確に診断され、適切な治療を受けられるようになる。副作用を減らし、より高い治療効果も期待できる。

全遺伝子解析は、がん以外の難病の治療や診断でも威力を発揮することになる。

たとえば、食事をするたびに腸に小さな穴が開き、その穴が皮膚表面まで通じてそこから便が漏れるという奇病を患っている米国のニコラス・ヴォルカー君という4歳児のケースでは、ヴォルカー君の全エクソーム解析(全遺伝子解析)を行い、腸を細菌の攻撃から守る働きに関係していると考えられている「XIAP遺伝子」の変異であることを突き止めることができた。

そして、全遺伝子解析によって命が救われた最初の症例として新聞でも紹介され、それらの報道に対してピューリッツァー賞が与えられた。

その受賞記事は書籍化され、翻訳されています。

はらはらドキドキしながら一気に読みました。お母さんの執拗なほどのがんばりがすばらしい結果をもたらしたのです。もちろん医療者の献身的な努力も。

全遺伝子解析の有意性が明かなのに、日本ではそれに目が向いていない。

シスメックス社が承認申請していた遺伝子変異解析キット「オンコガイドNCCオンコパネルシステム」が承認されたことがニュースになったが、このパネルシーケンスでは、がん遺伝子の約半分を見逃すことがあるという。


スポンサーリンク

さらに世界では、全遺伝子解析のその先、全クリプトーム(全転写産物、RNAのこと)解析の臨床応用まで進んでいるのだ。DNAだけではなくRNAも解析して、がんの治療に使おうというのである。

世界では全遺伝子検査が標準となり、検査費用もどんどん安くなっているのに、なぜ日本はパネルシーケンス一辺倒なんだろう。

国立がん研究センターとシスメックス社の長年の提携関係のしがらみがあるのだろうかと勘繰ってしまう。

個別化医療には情報工学者が必要だが、そのような素養を持った医者はいないし、それを育てる国策もない。IT化でも日本の医療分野は後れをとっている。

個別化医療やプレシジョン・メディシンを押し進めるには、今の統計的エビデンスの方法では限界があるだろう。

なにしろ統計的有意差を得るためには数百人規模の臨床試験を行う必要があるが、遺伝子検査で同じ複数の遺伝子の異常がある患者を数百人も集めるのは不可能である。

個別化医療が進めば、統計的有意差という手法の見直し、つまりは現在のエビデンスの考え方も転換を迫られるに違いない、と思うこのごろです。


がんと闘う多くの仲間がいます。

にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

このブログの関連記事

  • 今日の一冊(115)「免疫療法を超えるがん治療革命」今日の一冊(115)「免疫療法を超えるがん治療革命」 生きたがん細胞に過酸化水素(オキシドール)を注射して、リンパ球と同じ状態にしてやれば、放射線の効果がずっと続くのではないか。こう考えたのが小川恭弘医師でした。 ’06年にコータ […]
  • 国立がん研究センター&オンコロで先進医療が検索できるように国立がん研究センター&オンコロで先進医療が検索できるように 国立がん研究センター中央病院で先進医療として実施中の治験(第1相試験)の検索ができるようになったそうです。 このページから、①年齢、②治療、③日常生活など6 […]
  • 先進医療特約を付けようか先進医療特約を付けようか アヒルさんマークの保険会社から電話が来て、 今の生命保険を見直しませんか? […]
  • 膵臓がんの臨床試験:WEE-1阻害薬膵臓がんの臨床試験:WEE-1阻害薬 WEE-1阻害薬には、抗がん剤の増刊作用、放射線感受性の増刊作用があり、がん細胞を死滅されるのに効果を発揮するということらしいです。日本でも、アストラゼネカ社が固形がんを対象に、 […]
  • 水虫の治療薬が胆道がん細胞の増殖を抑制水虫の治療薬が胆道がん細胞の増殖を抑制 慶應義塾大学の報道もまだ可能性の段階ですし、兵庫県西宮市の明和病院の園田医師らの臨床試験もまだ試験段階の治療法ですから、確かに効果があるとは断定できませんが、希望はありますね。水 […]
  • がんゲノム医療の公開講座がんゲノム医療の公開講座 今、がん診療の新しい時代を迎えようとしています。がんゲノム診療は今、医療者にとってだけでなく、がん患者、家族、市民、あらゆる立場にとっても「革新への挑戦と変革」の時です。この市民 […]
LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です