『抗がん剤は効く!』

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使い方次第で抗がん剤は効く!梅澤先生の新著『使い方次第で抗がん剤は効く!』を読みました。近藤誠氏の「抗がん剤は効かない」について、標準量では聞かないというのなら、それは同意できる。しかし、患者に合わせた少用量の抗がん剤では、標準治療による生存期間中央値よりも明らかに長生きしている、と主張しています。この点は先生のブログの読者ならすでによく分かっていることです。少用量の抗がん剤での実際の患者の生存期間がどうなのか、知りたかったのはその点です。

一言でいえば、標準治療よりはるかに良いではないか、となります。

国立がん研究センターの乳がん患者(Ⅳ期、再発)のデータでは5年生存割合がともに25%となっています。同じステージの梅澤先生の治療を受けた乳がん患者65名のデータでは、平均生存期間は60.5ヶ月ですから、平均しても5年は生存しています。がんセンターの標準治療では5年後は25%ですから、この違いは明らかだと思います。

一番気になる膵臓がんの25例の成果も紹介されています。こちらは「膵がんの治療成績は、悲惨の一言です」と書かれているように、ほとんどの患者さんがすでに亡くなっています。それでもジェムザールの生存期間中央値6.8ヶ月に比較して、16.5ヶ月という治療成績です。膵臓がん患者からすれば「そんなものか」とがっかりしますが、標準治療よりは副作用も少なく、長生きできるのですから恩恵はあります。『膵がんには「借りてきた猫」は見当たりません。情け無用の猛獣ばかりです。』とは、たくさんの膵臓がん患者を見てきた先生の正直な感想です。覚悟をしています。しかし、中には「完治」の可能性のある患者もいるとも書かれています。少しは希望もありそうです。

このブログでも第Ⅱ層の臨床試験が始まったと紹介しましたが、このFOLFILIONOXについては酷評しています。アウシュビッツ以上の「拷問のような治療」「医者のお遊び」だとの批判です。直腸がん患者で実際に体験した方も「まさに生き地獄でした」と感想を漏らしていたそうです。さもありなんと思います。「膵臓がんの常識を覆した」とか「膵がん患者においては、若くて状態が良ければ副作用の強い強力な治療の方がかえって生活の質(QOL)を改善しやすくかつ従来より延命させるということだ。」との解釈がありますが、”副作用が強力な方が生活の質(QOL)が高い”というのはありえないのではないか。副作用が強いほど生活の質(QOL)は低下するはずです。4.3ヶ月の延命効果をどう考えるか、副作用との兼ね合いですが、患者の価値観によって違うでしょう。

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私なら「地獄のような副作用」に耐えて天国に行くよりは、宝物のような時間を過ごしてから地獄に行った方がましだとの先生の言葉に同意します。タルセバもFOLFIRINOXも要らないなぁ。


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