膵癌細胞診のミスで胃に転移したAさん

Web交流会のご案内


【日 時】2020年12月12日(土) 13:00~16:00(開場:12:45)
【場 所】Zoomを使ったオンラインの集まりです
【対 象】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参加費】500円 (PayPal決済、郵便振替)
【定 員】100名
【内 容】
第一部 がん研有明病院 腫瘍精神科部長 清水研先生の講演
『もしも一年後、この世にいないとしたら ~4000人の患者家族と対話した精神科医の学び~』
第二部 患者さん同士の交流会

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。

参加申込受付中です。 詳しくはオフィシャルサイトで


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先々週の出張で40mのタワーに垂直のモンキー梯子で上り下りして宿に帰ったら、ある方から自宅に連絡したいのだがとの伝言があった。

仮にAさんとしておくが、旧『すい臓がんカフェ』(現在は『膵臓がん患者と家族の集い』)にも参加された方です。昨年ステージⅣaで手術ができ、再発もなく過ごしていたのだが、このところCA19-9が100を越えてわずかに上昇気味。同じ病院では月に1回しかマーカーの検査はできないので、別の病院で更に検査すると148まで上昇。

この程度のマーカー値ならほとんどの医者が「心配しないで様子を見ましょうか」と言うでしょうね。

「病院が違い、検査試薬が違うと値も変わるから、あまり心配しない方が良いのでは」とも医者は言ったのだが、Aさんは虫が騒ぐというか、納得できないので自分で申し出てPET-CTを撮ってもらった。

そうしたら胃に赤く光る部分があった。医者の話では、超音波内視鏡下穿刺吸引生検法(EUS-FNA)で細胞を取ったとき、胃に空けた穴の部分に細胞を取った針からがん細胞が付着したようなのです。というのは、細胞診で穴を空けた場所とPETで光っている場所が同じだったからです。

Aさんは、この病院で膵癌の確定診断に検査、検査で数ヶ月もかけることが納得できず、がん研有明なら細胞診なしで手術するのに、それならⅣaでなくⅢであったかもしれないのにと、医者にも苦情を言って、自分でもそう思っていました。

それが、さんざん時間をかけた確定診断のためのEUS-FNAで逆に胃に転移したのですから怒りが収まりません。「何万人に1人はそういう例もある」と説明されたそうですが。幸い胃の転移部は、Aさんが早期にPETをしたおかげで極小さく「今なら簡単に切除できますよ」と言われても納得できません。「もうこの病院はいやだ」と私に相談があったのです。

当然セカンドオピニオンを勧めました。そうしたら、その病院からの紹介先が「胃外科」になっていた。膵臓がんが胃に転移したって胃がんではないので、紹介先は肝胆膵外科だろう。この医者、大丈夫かなと思いました。しかたなくがん研有明で胃外科を受診したら、肝胆膵外科の部長先生を呼んで協議してくれたのです。そして、私の主治医でもある肝胆膵外科の先生が手術してくれることになったのです。先生からは「早く手術しましょうね」とのことでした。\(^o^)/

がん研有明は、膵臓がんの患者には特別枠で手術室と病室を用意してあると言います。膵臓がんは「足が速い」から細胞診もしないで手術に臨む。2~3ヶ月待っていると手術不可になることもあるからです。5~10%あるという「良性腫瘍」であったときには「ごめんなさい、でも良かったね」となりますけどと私の主治医も笑って言う。実際に10人に1人くらいはそうした不幸(幸運?)な患者もいるけど、苦情は出たことはないそうです。患者第一の考えには好感が持てますよ。「早い、安い、上手い(旨い)」吉野家のようになるのだと元院長が言っていたなぁ。

Aさんも今週に術前の再検査でCTを撮って早期の手術ができそうです。

私の友人の場合もこんなことが。十二指腸に近い膵頭部の膵癌が肝臓に転移していたのですが、都内のある病院では内視鏡が十二指腸近くの腫瘍まで届かないために細胞が取れずに確定診断ができなかった。何度かトライしている間に時間は経つ。仮に細胞が取れても病理検査は外に出すから2週間はかかるという。こりゃダメだと、セカンドオピニオンでこれも有明に連れて行ったら、皮膚から針を刺して、転移した肝臓から細胞を取って「膵腺癌ですね」と、二日後には診断が確定した。専任の病理医がいる病院は結果が早い。

無理に原発巣から腫瘍細胞を取ることはないのですよ。転移先の細胞も膵臓がん細胞の性質を持っているのだからそこから取れば良い。それに思い至らない医者というのは、経験不足、知識も思慮も足りないということ。時間を浪費して患者を苦しめるだけでした。

なぜ細胞診をしたかというと、前の病院の医師がGIST(消化管間質腫瘍)だろうとの診断だったからです。しかし、有明の先生は「肝転移の画像からも、GISTにしては形が丸く整いすぎている。?20例/月ほどのGIST患者を見ている私の目には、GISTや肉腫は考え難い。GISTならもっとべたっとしている。膵腺癌の顕著な特徴を持った画像である」との所見でした。

こういうこともあるのですね。がんもいろいろ、十人十色。医者もピンからキリ。膵臓がんは手術症例の多い病院で経験豊富な医師に診察してもらわなければ後悔することになります。教科書的な知識しかない医者ではダメです。

医者任せではなく、自分で情報を集めてよく考え、経験者にも相談し、納得のいく治療をしたいですね。


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膵癌細胞診のミスで胃に転移したAさん” に対して1件のコメントがあります。

  1. ひぃ より:

    キノシタさん、こんにちは。先日の外来で母の前の方がAさんそっくり。良かったー!と大きな声で笑って出て来たのでその事だったんですね。
    早く対応出来て良かったですね。
    母も病院と主治医に恵まれて良かったです。

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