ライフスタイルを変えて、がんを抑え込む
私たちは誰でも、体内にがん細胞の芽を持っているだけでなく、体自体がその芽ががんに育つプロセスを妨げるように作られている。
それを活用するかしないかは、本人次第である。
乳がんや結腸がん、前立腺がんなど欧米諸国で猛威を振るうがんのアジアでの発症率は、欧米の1/7から1/60にすぎない。
50歳前にがん以外の原因で死亡するアジア人男性の前立腺にも、欧米人の同世代の男性と同じ程度の微小腫瘍が見られる。
つまりアジア人のライフスタイルには、微小腫瘍を成長させないようにする何かがあるのだ。
反対に、欧米に住んでいる日本人ががんになる確率は、移住してから1~2世代たっただけで、欧米人と同じレベルになる。
欧米人の生活様式の何かが、私たちの体をがんから効果的に守ることの妨げになっているのである。
がんとは何よりもまず遺伝子の仕業であり、ライフスタイルと無関係であると思い込まされているが、実際は逆である。
微小腫瘍から育ってしまったがんに対しても、ライフスタイルを変えることによって、大きくならないようにするか、あるいは幸運にも縮小させることができるだろうか?
100%それが可能だとは言えない。しかし実際には、ライフスタイルを変えて、がんを抑え込んで共存している人たちもいる。