PET-CT検査ってどうなの?メリットとデメリット、知っておきたいこと
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「『がんは早期発見が命!』って、よく聞きますよね。でも、本当にそうでしょうか?毎年高いお金を払って健康診断を受けている人も多い中で、最近よく耳にするのがPET-CT検査。全身を一度にチェックできるって聞くと、安心しちゃいますよね。でも、実はこの検査、あまり知られていない注意点や、ちょっと気をつけたいリスクもあるんです。」
今回は、PET-CT検査の良い点と、ちょっと困る点、そして検査を受ける前にぜひ知っておいてほしいことを、医療ジャーナリストさんの取材をもとに、わかりやすくお話ししていきますね!
PET-CT検査って、そもそも何?
まず、PET-CT検査がどんなものか、簡単に説明しますね。
- PET検査(陽電子放出断層撮影): PET検査では、「PET検査薬」っていう特別な放射性のお薬を体に入れるんです。このお薬は、ブドウ糖にそっくりな「FDG」っていう物質に、ちょっとだけ放射線を出す成分(18F)をくっつけたものが多いですね。がん細胞って、普通の細胞よりもすごく元気で、ブドウ糖をたくさん取り込む性質があるんです。PET検査は、このがん細胞の特徴を利用して、体に入れたお薬がどこに「光って」集まっているかを特別なカメラ(PET装置)で見て、全身のがんがどれくらい活発に動いているかを画像にするんです。これで、がんがあるかどうかだけでなく、がんがどれくらい元気なのかもわかるんですよ!
- CT検査: CT検査は、X線を使って体の輪切り写真を撮る検査です。臓器の形や、どこにあるかなどを詳しく見ることができて、病変の正確な位置や大きさを把握するのにとっても役立ちます。
PET-CT検査は、この二つの検査を組み合わせたものなんです。PET画像でがんの怪しい部分が見つかったら、CT画像でその場所がどこで、周りの臓器とどうなっているかを詳しく確認できるので、より正確な診断ができるようになるって期待されています。
PET-CT検査の良いところ
PET-CT検査の主な良い点は、こんな感じです。
- 全身をまるっとチェックできる!: PET-CT検査の一番のポイントは、一度の検査で頭から足の先まで、体全体を広く調べられること!これで、最初に見つかったがん(原発巣)だけじゃなくて、リンパ節や他の臓器に転移がないか、あるいは別の場所に隠れている新しいがん(重複がん)がないかなども見つけられる可能性があるんです。特に、まだ何も症状がない段階でがんが見つかることもあるから、早く見つけて早く治療を始めることにつながるって期待されています。
- がんの活発さがわかる!: 体に入れた放射性のお薬がどれくらい集まっているかで、がん細胞がどれくらい活発に活動しているかがわかります。お薬がたくさん集まっているほど、がん細胞が元気だって判断されるので、がんの悪性度や進行度を推測する手がかりになるんです。この情報があれば、どんな治療をするか決めたり、今後の見通しを立てたりするのに役立ちますよ。
- 治療が効いているか確認できる!: がんの治療(手術、放射線治療、抗がん剤治療など)の前と後でPET-CT検査をすれば、治療でがんがどう変わったかを客観的に確認できます。治療後に、お薬の集まりが減っていれば、がんの活動が弱まった、つまり治療がうまくいっているって判断できるんです。これで、治療計画を見直したり、もっと効果的な治療法を選んだりするのに役立てられますね。
PET-CT検査のちょっと困る点と注意すること
でも、PET-CT検査にはいくつか困る点や、気をつけてほしいことがあるんです。これらの点をしっかり理解しておくことが、自分に合った検査を選ぶためにとっても大切ですよ。
1. 見つけにくいがんもあるって知ってた?
PET検査って「全身のがんをチェックできる!」ってイメージが強いけど、実は得意ながんと苦手ながんがあるんです。これは、がんの種類によってブドウ糖の取り込み方や、細胞が増えるスピードが違うからなんですね。
- PET検査が得意ながん: 甲状腺がん、頭や首のがん(喉のがん、口の中のがん、首のリンパのがんなど)、肺がん、乳がん、膵臓がん、進行した大腸がん、卵巣がん、子宮体がん、悪性リンパ腫などがそうです。これらの種類のがんは、一般的に代謝が活発で、PET検査のお薬が比較的集まりやすい傾向があるんです。
- PET検査が苦手ながん: 食道がん、肝臓がん、胃がん(特に初期の胃がん)、初期の大腸がん、前立腺がん、子宮頸がん、腎臓がん、膀胱がんなどが挙げられます。これらの種類のがんは、代謝が比較的穏やかだったり、病変がすごく小さかったり、あるいは、お薬がおしっことして出ていく臓器(腎臓、膀胱など)の近くにあるせいで、がん細胞にお薬が集まっているのがはっきりしないことがあって、見逃されやすい傾向があるんです。
特に、日本人に患者さんが多い前立腺がん、胃がん、肝臓がん、子宮頸がん、初期の大腸がんは、PET検査では見つけるのが難しいとされています。国立がん研究センターが2008年に発表した報告によると、PET検査でがんを正しくがんって判断できる割合(感度)は17.8%と、とっても低いんです。つまり、約82.2%のがんを見逃してしまう可能性があるって指摘されているんですね!この「感度17.8%」っていう数字は、もしがんが100個あったとしたら、PET検査で見つけられるのはたった18個にも満たないってことなんです。だからこそ、PET-CT検査だけでがんの早期発見を期待するのは難しい場合があるんです。他の検査(例えば、胃がんなら胃カメラ、大腸がんなら大腸カメラなど)と組み合わせて受けることが、強くおすすめされているんですよ!
2. 放射線って、ちょっと心配?
PET-CT検査では、PET検査で使う放射性のお薬と、CT検査のX線の両方から放射線を受けることになります。普段の生活でも自然に放射線を浴びているけど、医療検査で受ける放射線は、人工的なものとして体にたまっていくんです。
2025年4月に発表されたアメリカの研究機関のデータによると、2023年のCT検査のデータから、将来的に約5%のがんが放射線によって引き起こされる可能性があるって推定されているんです!これは、アメリカで1年間に新しく診断されるがんの約5%にあたる数字なんですよ。特に子どもは、細胞がどんどん分裂しているから放射線の影響を受けやすくて、CT検査1回あたりの発がんリスクがかなり高いって言われています。例えば、1歳未満でCT検査を受けた女の子の場合、1000件の検査で20人ががんを発症する可能性があるって推計されているんです。
健康な人ががん検診としてPET-CT検査を受ける場合、がんが見つかる確率と、放射線によって新しくがんになるリスクとのバランスを、よーく考える必要がありますね。アメリカでは、食品医薬品局(FDA)が2017年に、「症状がない人の全身スキャンは、検査を受ける人に利益をもたらすよりも、害をもたらすという科学的な証拠は確認されていない」って発表して、症状がない人に対して全身スクリーニング目的でCTシステムを使うことを推奨しないように禁止しているんです。これは、必要ない放射線は避けるべきだっていう考え方に基づいています。
日本は世界的に見てもCT検査を受ける人が多い国で、PET-CT検診も広まっています。検診をしている施設のウェブサイトには、PETやCT、胃のX線検査などについて「1年間に自然に浴びる放射線と同じくらいだから、体への影響はほとんどないですよ」って書いてあることが多いです。でも、これらの検査をいくつか組み合わせれば、当然、浴びる放射線の量は増えますよね。特に、がんへの意識が高い人が毎年積極的にPET-CTを含む複数の検診を受ける場合、体にたまる放射線の量が無視できないレベルになる可能性も指摘されているんです。
3. 「二次がん」って聞いたことある?
がんの治療が終わった後に、治療した場所とは違う新しい場所にがんができることを「二次がん」って言います。これは、放射線治療や抗がん剤治療などのがん治療によって、普通の細胞がダメージを受けたことが原因だと考えられています。でも、定期的にPET-CT検査を受けて放射線を浴びることも、二次がんのリスクを高める可能性があるって言われているんです。
実際に、子どもの頃にがんが治った人が、再発しないように定期的にPET-CT検査を受けていたら、後になって喉に二次がんができたっていう事例も報告されているんです。このケースでは、PET-CT検査と二次がんの直接の関係ははっきり言えないけど、放射線が影響している可能性は否定できないって専門家も言っています。こんな話を聞くと、患者さんやご家族にとっては、がんとの闘いが終わらないっていう大きな心の負担になるだけでなく、「良かれと思って受けた検査が、かえってがんを引き起こしてしまったんじゃないか」っていう苦しい気持ちになる可能性もあるんです。がんを早く見つけたいって願うあまり、かえってリスクを高めてしまうっていう皮肉な状況は、医療の進歩と、患者さんが検査を選ぶことの難しさを示しているのかもしれませんね。
これからの検診、どうする?
PET-CT検査には、ここまでお話ししたような注意点があるから、これからの検診を選ぶときには、放射線を浴びない検査方法も注目されていますよ。
- DWIBS(ドゥイブス)法: これはMRI(磁気共鳴画像診断装置)を使った全身のがん検査方法の一つで、PET検査と同じような目的だけど、全然違う原理で画像を撮るんです。DWIBS法は、X線や放射線を全く使わず、強い磁場と電波を使って体の中の水の分子の動きを画像にするんです。がん細胞って、普通の細胞よりも細胞がぎゅっと詰まっていて、水の分子の動きが制限されるっていう特徴を利用して、がんを見つけます。だから、放射線を浴びる心配が全くないんです!それに、PET検査みたいに検査前に絶食したり、お薬を注射したりする必要もないから、準備が楽だし、検査時間も比較的短いっていう良い点があります。しかも、検査費用もPET-CTより安く設定されていることが多いんですよ。
DWIBS法も完璧な検査ではないけれど、放射線を浴びたくない人にとっては、とっても良い選択肢になるはずです。日本ではまだPET-CTほど多くの施設で受けられるわけではないけれど、その安全性と便利さから、これからもっと広まっていくことが期待されています。
まとめ
PET-CT検査は、全身のがんを一度にチェックできるっていう画期的な良い点がある一方で、見つけにくいがんがあったり、放射線を浴びることで新しいがんや二次がんになるリスクがあったりするっていう、大事な課題も抱えているんです。
がん検診を受けるときは、これらの良い点と課題をしっかり理解して、自分の健康状態や家族の病歴、リスクなどを考えながら、そして何よりも信頼できるお医者さんとよーく相談して、自分に一番合った検査方法を「一緒に見つける」ことが大切ですよ。一つの検査だけに頼りすぎるんじゃなくて、それぞれの検査の特徴を理解して、必要ならいくつかの検査を組み合わせた「総合がん検診」を検討したり、DWIBS法みたいな放射線を浴びない新しい選択肢についても、積極的に情報を集めて考えてみたりすることを強くおすすめします。
自分の体を守るために、正しい知識を持って賢く検診を選んで、後悔のない選択をしてくださいね!