今日の一冊(40)『がん「予防」と「早期発見」の最前線』
週刊文春に連載された記事にいくつかの書き下しの記事を追加して、最近の研究結果を使って、予防法と早期発見法をわかりやすく解説しています。
「がん予防と早期発見の最前線」は『新薬の罠』などの著作もある評論家の鳥集徹氏の執筆です。食事療法だけでがんを治せるという科学的証拠はどこにもないし、結局は、あたりまえの健康的な生活が、がんの再発予防にも最も効果的ですよ、という結論です。ま、その結論に至る過程を丁寧に説明しています。このブログでの紹介してきた、がんを防ぐための新12か条がいちばん頼りになると言うこと。
- たばこは吸わない
- 他人のたばこの煙をできるだけ避ける
- お酒はほどほどに
- バランスのとれた食生活を
- 塩辛い食品は控えめに
- 野菜や果物は不足にならないように
- 適度に運動
- 適切な体重維持
- ウイルスや細菌の感染予防と治療
- 定期的ながん検診を
- 身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
- 正しいがん情報でがんを知ることから
「がんにならない食生活」は国立がん研究センターの津金昌一郎氏の記事です。赤肉で大腸がんのリスクが増えるという結果について、アメリカでの研究であり、日本人はそれ補と食べていないから気にする必要はない。むしろ肉を食べるようになったおかげで血管系の病気による死亡率が下がったのです。
コーヒーで肝がんリスク低下、緑茶を飲もう、豆腐や納豆で乳がん予防など、個別具体的に説明されています。
「50歳を超えてもがんにならない生き方」は、アンチエイジング医師 南雲吉則医師の記事。これはちょっと首をかしげる内容です。どうしてこのような著者を起用したのだろう。「抗がんサプリに効果なし」は納得できるとして、「がんは免疫の過剰反応による病気」は最たる噴飯物。