国民生活センター調査 水素水「やっぱりただの水」

がんに効果がない「水素水」

あたかもがんに効果があるかのように、過熱している水素水ですが、国民生活センター調査結果が発表され、ニュースにもなっています。

容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」-「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です-

今回対象となった容器入り水素水はレポートによると以下のようになっています。

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水素水生成器

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報告書本文の解説は、Gigazineのこちらの記事が分かりやすいです。

振るっているのは、メーカーが水素水により期待できる効果としての回答です。

飲用により期待できる効果を尋ねたところ、15社(3社は無回答)では、「水分補給」が最も多い回答でした。その他、「ダイエット」、「疲労回復」、「美容」、「アンチエイジング」と回答した事業者もいましたが、医薬品医療機器等法で効果の表示はできないため、表示は控えているとの事業者もいました(表10参照)。

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水分補給が目的なら、水道の水を飲んでいれば良いですね。

おならにも水素が含まれている

水素水の効果については、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性情報」 (注4) に、「俗に、『活性酸素を除去する』『がんを予防する』『ダイエット効果がある』などと言われているが、ヒトでの有効性について信頼できる十分なデータが見当たらない。現時点における水素水のヒトにおける有効性や安全性の検討は、ほとんどが疾病を有する患者を対象に実施された予備的研究であり、それらの研究結果は、健康な人が市販の多様な水素水の製品を摂取した時の有効性を示す根拠になるとはいえない。

水素分子(水素ガス)は腸内細菌によって体内でも産生されており、その産生量は食物繊維などの摂取によって高まるとの報告がある。従って、市販の多様な水素水の製品を摂取した水素分子の効果については、体内で産生されている量も考慮すべきとの考え方がある。」との記載があります。

これ、私の記事でも書いている「おなら」のことです。

おならの主な成分は、飲み込まれた空気中の窒素が60~70%、水素が10~20%、二酸化炭素が約10%、そのほか酸素、メタン、アンモニア、硫化水素・・・などです。おならとして外部に出る以外は体内に吸収されて血液循環に乗っていきます。これは、水素水から摂取する水素量と比べてはるかに多量です。

水素水の研究自体はまじめなものだと受け取っているのですが、それを利用して悪徳業者が消費者・がん患者を騙している構図です。

過去記事もご参考に。


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