膵臓がんのコンバージョン手術:がん研有明

Illustration of male pancreas anatomy

夕刊フジ ZAKZAK がすい臓がんの特集を掲載しています。

ゲノム医療やナノナイフなど、膵臓がん患者にとって関心の高い話題が取り上げられています。

その中で今回はコンバージョン手術についてです。

コンバージョン手術適用は、約8%

膵臓がんで切除不能とされるステージ3の一部やステージ4では、基本的な治療法は抗がん剤治療になります。しかし近年、放射線や化学療法によって腫瘍が縮小し、手術に持ち込める例が増えてきました。「コンバージョン手術」というのですが、中でもがん研有明病院は積極的にコンバージョン手術に持ち込むことで有名です。

がん研有明病院では、2014~19年の5年間で500人弱の切除不能と診断された患者のうち38人に同手術を実施。その後も症例数を重ねている。

「外科医にとって膵臓がん治療は、以前は手術ができるかできないかの2択だけでした。しかし、2通りの化学療法が登場したことにより患者さんを『切除可能』『切除可能境界』『切除不能』の3つに分類し、前2者は化学療法と手術を組み合わせた治療を行うようになりました。『切除不能』は基本的に化学(+放射線)療法ですが、その効果によっては手術ができるくらいになる方が見られるようになってきました。38人は切除不能患者全体の1割にも満たないですが、以前は切除対象に戻ってくる患者はほぼゼロでしたから、大きな前進です」

がん研有明病院 肝胆膵外科部長の高橋祐医師

コンバージョン手術の選定基準(がん研有明病院)

  1. 他臓器への転移が3個以内で抗がん剤によりほぼ消失
  2. 腫瘍マーカーが正常値
  3. 8カ月以上は化学療法を実施

コンバージョン手術を受けた患者の3年生存率は、今のところ7割を超えている。

 「8カ月以上の化学療法にこだわるのは、画像では映らない、全身に散らばっているかもしれないがん細胞を一掃して再発リスクをできるだけ下げたいからです。手術の負担は大きく、術後には前述の強力な抗がん剤治療が使えません。そのようなときに再発してしまうと逆に命を縮めてしまう危険性もあるため、手術によるメリットのほうが大きい患者さんのみを選んでいます」(高橋医師)

数年前になりますが、大阪のある癌専門病院で切除不能と言われた膵臓がんの方を、がん研有明病院の齋浦先生に紹介したことがあります。肝胆膵外科部長の齋浦先生はすでに退職をされておりますが、その後も積極的にコンバージョン手術に持ち込むという方針は続けられているようです。

紹介した方も無事に手術ができて、「大きなクリスマスプレゼントを頂いた」と喜んでおりました。

生存率が低く予後の厳しい膵臓がんですが、治療成績も徐々に向上し、境界型の場合は手術に持ち込める例も増えてきております。諦めずに可能性を引き寄せてみましょう。


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