【膵臓がん】もう手遅れとは言わせない。早期発見の鍵は「特殊な胃カメラ」と“がんの芽”を見つける最新研究

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「膵臓がん」という診断は、その響きだけで多くの患者様やご家族の心を凍らせてしまうかもしれません。「見つかったときには手遅れ」という言葉が重くのしかかり、希望を失いそうになることもあるでしょう。

確かに、膵臓は体の奥深くにあり、初期症状がほとんどないため、早期に発見することが極めて難しいがんとされてきました。しかし、その常識は今、大きく変わろうとしています。世界中の研究者たちのたゆまぬ努力により、「手遅れ」になるずっと前、がんがまだ“芽”の状態のうちに見つけ出すための画期的な技術が、実用化に向けて進んでいるのです。

本日は、そんな希望の光となる、大阪大学の谷内田真一教授らが進める「特殊な胃カメラ(超音波内視鏡)」を用いた膵臓がんの早期発見に関する最新の研究について、詳しく、そして分かりやすく解説していきます。

また、そもそもなぜ膵臓がんがこれほどまでに手強いのか、その根本原因である「KRAS遺伝子」についても触れながら、未来への希望をお届けします。

なぜ膵臓がんの早期発見は難しいのか?

膵臓がんが「沈黙の臓器」のがんと呼ばれる所以は、主に3つの理由があります。

  1. 体の奥深くにある: 胃や大腸のようにカメラで直接見ることが難しく、お腹の上からの超音波(エコー)検査でも、他の臓器や脂肪に邪魔されて鮮明な画像を得にくいのです。
  2. 特有の初期症状がない: なんとなく胃の調子が悪い、背中が痛い、食欲がないといった、他の病気でもよく見られる症状しかなく、「まさか膵臓がんとは…」と見過ごされがちです。黄疸(体が黄色くなる)など、明らかな症状が出たときには、すでに進行しているケースが少なくありません。
  3. 進行が非常に速い: がん細胞の増殖スピードが速く、発見が遅れると、あっという間に周りの重要な血管や臓器に広がり、手術ができない状態になってしまうことがあります。

これらの高いハードルがあるために、膵臓がんの5年生存率は他のがんに比べて著しく低いのが現状です。だからこそ、医療界の悲願は「いかにして早期に発見するか」という一点に集中しています。


膵臓がんの“主犯格”、「KRAS遺伝子」とは?

早期発見の話に入る前に、膵臓がんの根本的な原因について少しだけお話しさせてください。それが「KRAS(ケーラス)遺伝子」の存在です。

私たちの体を作る細胞の中には、体の設計図である「遺伝子」があります。KRAS遺伝子は、細胞に対して「増えなさい」という命令を出す、車のアクセルのような役割を担っています。通常は、必要な時だけアクセルが踏まれ、細胞は適切に増殖します。

しかし、このKRAS遺伝子に傷がつき「変異」が起こると、アクセルが踏みっぱなしの状態になり、細胞は無秩序に増え続けてしまいます。これが、がんの始まりです。

驚くべきことに、膵臓がんの患者さんの95%以上で、このKRAS遺伝子に変異が見つかっています。 まさに膵臓がんの“主犯格”であり、この遺伝子変異こそが、膵臓がんのしつこさや進行の速さにも関わっていると考えられています。この変異は、がんが目に見える大きさになるずっと前、まさに“がんの芽”の段階から存在していることが、近年の研究でわかってきました。


早期発見の切り札!「超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)」

この“がんの芽”を、どうすれば見つけられるのか。そこで登場するのが、今回の主役である「超音波内視鏡(EUS)」です。

これは、先端に超音波(エコー)装置が付いた特殊な胃カメラです。口から挿入したカメラを胃や十二指腸まで進め、その壁越しに隣接する膵臓を観察します。体の外から見るよりもずっと近くで、しかも他の臓器に邪魔されずに膵臓を隅々まで詳細に見ることができるため、通常は見つけられないような5mm程度の非常に小さながんや、がんの前段階である「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)」などの病変を発見することが可能です。

そして、谷内田教授らの研究が画期的なのは、このEUSをさらに一歩進めた点にあります。それが「EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引法)」という技術です。

これは、EUSで膵臓を観察しながら、カメラの先端から細い針を出し、疑わしい部分や膵液を直接採取するというものです。これにより、画像診断だけでは判断が難しい場合でも、採取した細胞や液体を遺伝子レベルで詳しく調べることができます。


“がんの芽”を捉える遺伝子解析技術

谷内田教授らのチームは、このEUS-FNAで採取した貴重な膵液の中に、がん細胞から漏れ出した微量な遺伝子(DNA)が含まれていることに着目しました。

そして、その膵液を次世代シークエンサーという高性能な解析装置にかけることで、膵臓がんの主犯格である「KRAS遺伝子」の変異を高感度で検出することに成功したのです。

これは、何を意味するのでしょうか。

従来の診断では、CTやMRIなどの画像検査で、ある程度の大きさの「しこり」として認識されない限り、がんの確定診断は困難でした。しかし、この新しい方法を使えば、画像にはまだはっきりと映らないような、目に見えない“がんの芽”の段階で、その存在を遺伝子レベルで突き止めることができる可能性が出てきたのです。

記事によれば、この方法によって、まだがん化していない「IPMN」の患者さんの膵液からKRAS遺伝子変異が見つかり、その後の経過観察で実際に早期がんが発見されたケースも報告されています。これは、がんを「先回り」して発見できる時代の到来を告げる、非常に大きな一歩と言えるでしょう。


この検査は誰が対象になるのか? そして今後の展望

この先進的な検査は、すべての人にすぐに行われるものではありません。現時点では、特に膵臓がんのリスクが高いと考えられる方々が主な対象となります。

  • 家族に膵臓がんの患者さんがいる(家族歴)
  • 遺伝的に膵臓がんになりやすいとされる遺伝子変異を持つ(BRCA遺伝子など)
  • 「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)」や「膵のう胞」と診断されている
  • 慢性膵炎と診断されている

これらのリスク因子を持つ方は、定期的に専門医の診察を受け、必要に応じてEUSなどの精密検査を受けることが推奨されます。もしご自身に当てはまる場合は、一度主治医の先生に相談してみてください。

谷内田教授らの研究は、現在、より多くの患者さんでその有効性を確かめるための臨床研究が進められています。将来的には、このEUS-FNAと遺伝子解析を組み合わせた検査が、膵臓がんのハイリスク者に対する標準的な検診方法となり、「膵臓がんは早期発見できるがん」へと変えてくれることが大いに期待されています。


おわりに:希望を胸に、正しい情報を

膵臓がんという病気は、確かに厳しい側面を持っています。しかし、「手遅れ」「発見が難しい」という言葉だけで未来を諦める必要は全くありません。

今回ご紹介したように、超音波内視鏡と遺伝子解析技術の進歩は、これまで不可能だと考えられていた「がんの芽」の段階での発見を、現実のものとしつつあります。

大切なのは、ご自身の体の状態やリスクを正しく把握し、信頼できる主治医としっかり連携することです。そして、科学的な根拠に基づいた正しい情報を知ることが、いたずらに不安を煽られることなく、前向きに病と向き合う力となります。

この記事が、今まさに不安の中にいらっしゃる患者様やご家族の皆様にとって、未来を照らす一つの確かな希望となることを、心から願っております。


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