「老人虐待防止法」はこの国の政府に適用すべし


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来年4月から「後期高齢者医療制度」なるものが予定されている。これは昨年の6月に小泉自公政府が決めたものだが、一言で言えば、年寄りから確実に保険料を取り立てる一方で医療費は”定額払い”で極力抑制しようというものだ。

75歳以上の老人(1300万人)は現役世代の医療制度(国民健康保険・医療組合)から切り離して別立ての制度に加入することになる。現在子供の扶養家族なっていて保険料を負担する必要のない低所得者もこの制度に移行されて保険料を徴収されることになる。しかも保険料は年金から天引きされる。

厚生労働省の試算では、保険料は全国平均で6200円/月というはずだったが、東京都の健保組合の試算では12900円/月になるケースもあるなど、厚生労働省の試算の1.3倍から3.3倍にもなるという。

医療費の「定額払い」は、どんなに治療をしても一定の医療費しか医療機関になし払われない。これを超える医療をした場合は病院の持ち出しになる。

負担は増えるが、受益は抑制されることになる。昔「老人に税金を使うのは、枯れ木に水をやるようなもの」といった政治家がいたが、いまでもこの国の政府の本音は同じようだ。二度にわたる「介護保険料引き上げ」を始めとして、「老人医療費の改悪」「生活保護老齢加算廃止」「生活保護生活扶助基準額引き下げ」「老年者控除の廃止」「厚生年金・共済年金保険料引き上げ」「国民年金保険料引き上げ」、それに連動する「市民税の大幅な引き上げ」。年金暮らしの老人からいったいどこまで取り立てるつもりなのだろうか。

こんな政治を変えたい、というのが先の参議院選挙の国民の意思表示だったが、無責任男=安倍晋三は慶応病院に逃げ込んでしまい、マスコミはできレースの総裁選に過熱報道を続けている。

平清盛の思いつきで摂津の国福原(現神戸市兵庫区)に突然の遷都が発せられた(治承4年、1180年)とき、鴨長明は「方丈記」に次のように書いている。

伝え聞く、いにしへの賢き御世には、あはれみをもちて、国を治め給ふ。すなはち、殿に茅をふきても、軒をだにととのへず。煙のともしきを見給ふ時は、限りある貢物をさへゆるされき。これ、民を恵み、世を助け給ふによりてなり。今の世の有様、昔になぞらへて知りぬべし。

昔の優れた天子の御世では茅で葺いた御殿の軒先さえ整えなかった。民のかまどから立つ煙が乏しいときは租税・年貢さえ免除されたという。そういう昔と比べて今の政治は・・・と長明は批判しているのである。

政治というものは千年たってもあいも変わらず庶民いじめしか念頭になさそうだ。小泉政治が進めた「新自由主義」政策が、いよいよ規制緩和と負担増という形で庶民を押しつぶそうとしている。福田を麻生もその小泉「改革」を継承すると明言しているのであるから、ますます暮らしづらい世の中になることは間違いあるまい。小泉はかつてこう言って霞ヶ関に指示している。「国民が、もうお願いですから消費税を上げて下さいと言うまで、徹底的に(社会保障を)削りまくれ」と。今後マスコミをも引き込んで「社会保障か消費税か」の二者択一キャンペーンが張られるに違いない。しかし、財源は消費税に頼らずともある。たとえば海上自衛隊のインド洋での「無料のガソリンスタンド」を止めるなど、軍事費の見直し。バブル期以上の大もうけをしている大企業への応分の負担をさせ
るなどなどだ。

私は現在抗がん剤などの治療で月に約10万円の医療費自己負担をしている。このさき退職して年金暮らしになったときには負担に耐えうる金額ではないし、保険料がさらに増額されるのでは必要な治療を受け続けることなどできはしない。

同じ小泉政権下で1年半前に「老人虐待防止法」なるものができているが、老人を虐待し続けているこの国の政府にこそ、この法律は適用するべきだと思うこのごろである。

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