「生きることについて」

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40年ほどの昔、よく口ずさんでいた歌があった。確か高校生の頃、社会科の先生から教えてもらった歌だった気がする。「死んだ女の子」である。トルコの詩人ナジム・ヒクメットの名前が、今でもすらすらと出てくる。
坂本龍一と元ちとせのコラボにより、再び蘇り、2005年8月5日、第60回「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」の前夜、原爆ドーム前で披露されましたそうだ。ただ、元ちとせの歌は、歌詞が私が記憶しているものとは違う。記憶の中にある歌詞の方が好きだ。

作詞:ナジム・ヒクメット、作曲:木下航二
日本語詞:飯塚 広

1 とびらをたたくのはあたし
  あなたの胸にひびくでしょう
  小さな声が聞こえるでしょう
  あたしの姿は見えないの
2 十年前の夏の朝
  あたしはヒロシマで死んだ
  そのまま六つの女の子
  いつまでたっても六つなの
3 あたしの髪に火がついて
  目と手がやけてしまったの
  あたしは冷い灰になり
  風で遠くへとびちった
       (間奏)
4 あたしは何にもいらないの
  誰にも抱いてもらえないの
  紙切れのように燃えた子は
5   おいしいお菓子も食べられない
     とびらをたたくのはあたし
  みんなが笑って暮らせるよう
  おいしいお菓子を食べられるよう
  署名をどうぞして下さい

映画「チェルノブイリ・ハート」の冒頭に、彼の「生きることについて」という詩が流れている。映画の監督であるマリオン・デレオさんが「日本のみなさまへ」と題したメッセージである。映画を見ていない人のために(私もYouTubeでしかみていないが)、英語版だがYouTubeで見られるサイトを紹介したwebをリンクしておく。この映画を見てもなお「チェルノブイリでは小児の甲状腺がん以外の健康へ影響は見られない」と言えるだろうか。

さて、ヒクメットの「生きることについて」は、私たちがん患者に向けたメッセージかのようにも感じられる。

「生きることについて」      ナジム・ヒクメット

生きることは笑いごとではない
あなたは大真面目に生きなくてはならない
たとえば
生きること以外に何も求めないリスのように
生きることを自分の職業にしなくてはいけない

生きることは笑いごとではない
あなたはそれを大真面目にとらえなくてはならない

大真面目とは
生きることがいちばんリアルで美しいと分かっているくせに
他人のために死ねるくらいの
顔を見たことのない人のためにさえ死ねるくらいの
深い真面目さのことだ

真面目に生きるということはこういうことだ

たとえば人は七十歳になってもオリーブの苗を植える
しかもそれは子供たちのためでもない

つまりは死を恐れようが信じまいが
生きることの方が重大だからだ

この地球はやがて冷たくなる
星のひとつでしかも最も小さい星 地球
青いビロードの上に光輝く一粒の塵
それがつまり
われらの偉大なる星 地球だ

この地球はいつの日か冷たくなる
氷塊のようにではなく
ましてや死んだ雲のようにでもなく
クルミの殻のようにコロコロと転がるだろう
漆黒の宇宙空間へ

そのことをいま 嘆かなくてはならない
その悲しみをいま 感じなくてはいけない
あなたが「自分は生きた」と言うつもりなら
このくらい世界は愛されなくてはいけない

よりよく生きるためには、他人のためにさえ死ぬことができるほど、まじめでなければならない。よりよく生きるために、死を選ぶこともある。そして、その前にしておくことがある。この宇宙と地球とすべての生き物を愛することだ。


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