再発防止や難治がんに対する研究も広がっているがんワクチン
「がんサポート情報センター」に昨年9月号の掲載記事が次々と無料公開されています。鎌田 實 諏訪中央病院名誉院長の「日本全体がメルトダウンしないために」では、
いま危険なのはセシウムです。148万ベクレル以上の汚染地域が600平方キロに及び、ホットスポットは原発から20キロゾーンの外側にも点在しています。セシウムを100ミリシーベルト浴びると、がんの発生率が0.5パーセント高まるといわれています。チェルノブイリでは9000人ががんになったというデータがありますが、日本でも今後、がんが増える可能性があります。
と警告しています。がん患者として注目するのは、中面哲也 国立がん研究センター東病院 機能再生室室長の『再発防止や難治がんに対する研究も広がっている
ようやく脚光を浴び始めた「がんペプチドワクチン」、その本当の効果』では
「患者さんの免疫力をもとにした治療ですから、元気な患者さんで大きな効果が得られる可能性は高い。今までは治療法のなくなった進行再発がんの患者さんにしか治療が行えず、1度がんが大きくなっても、あとから小さくなるといった例も、免疫療法ではありえるのですが、ちょっとでもがんが大きくなったら、治療を中止することがきびしく求められました。
けれども、09年にはアメリカの食品医薬品局(FDA)が、より元気な患者さんを対象に試験を組み直すよう指示を出し、また、今年3月、メラノーマ(皮膚がんの1種)の治療薬として、アメリカで承認されたイピリムマブに関しても、FDAは『1度がんが大きくなっても、再び小さくなる可能性があるので、治療を続行してよい』という考え方を出しました。
という。先日書いたOTS102にしても、中村教授らは早期のがん患者に対して臨床試験をやりたいのだが、厚生労働省は認めてくれないと言っていた。この国は何においても国民の命よりも法律や制度、前例のあるなしが第一だ。福島原発事故のあらゆる局面でもそれが現われている。安冨さんはそれを「原発話法」という切り口で見せてくれた。
私の考えでは、この問題の根底には小泉政権によって断行された「小選挙区制と例外なき規制緩和」がある。当時多くの国民が小泉の「劇場型政治」に喝采を上げたのだ。つまるところ、この政府があるのはこの国民があるからだ。
日本国民はいつまでだまされ続けるのだろう。