タルセバの膵臓がん関連情報まとめ (1)

エルロチニブ(タルセバ)が承認されることになり、膵癌に適用される抗がん剤は、ゲムシタビン(ジェムザール)、TS-1に次いで始めて分子標的薬が使えるようになった。1月にNHK「福祉ネットワーク」で斉藤あかり(仮名)さんが訴えていたように、膵臓がん患者には二つの薬に耐性ができるとそのあとの治療法がない状態でした。パンキャンが署名活動をして提出したその日に承認されたことになります。4月といわれていたのが遅れたのは東日本大震災のためなのでしょうか。私の考えは次回に書きますが、ともあれ、膵臓がん患者にとっては一つでも選択肢が増えるのは嬉しいことに違いない。

今後の治療方針を考えるうえで参考になればと、タルセバに関する情報を集めてみました。リンク先を並べますが、重要と思われる記述についてはコピーを載せておきます。

●Wikipedia:「エルロチニブ

エルロチニブ製剤は切除不能又は再発した非小細胞肺癌および膵臓癌に対する治療薬として用いられる。製造元は米国OSIファーマシューティカルズ (OSI Pharmaceuticals Inc.)、販売元は米国ジェネンテック社 (Genentech, Inc.) で、商品名は「タルセバR (TarcevaR)」。タルセバR錠は3種類の用量の剤形があり、エルロチニブとして一錠25 mg、100 mg、150 mg(エルロチニブ塩酸塩としてそれぞれ27.3 mg、109.3 mg、163.9 mg)を含有する。

2004年11月19日米国食品医薬品局 (FDA) は非小細胞肺癌に対する治療薬として本薬剤を認可し[2]、さらに2005年11月2日膵臓癌の治療薬としてゲムシタビンとの併用療法において承認した[3]

●Wikipedia:「膵癌

ゲムシタビンと分子標的治療薬のエルロチニブ(Erlotinib; 商品名タルセバ)の併用療法が、ゲムシタビン単独療法と比較して、統計学的に全生存期間を有意に延長することが示された(PA.3試験[3])。この結果を受け、FDAは2005年に、European Commissionは2007年にエルロチニブを承認した。

探索的解析ではあるが、上述のPA.3試験において、ゲムシタビンとエルロチニブ併用群で、グレード2以上の発疹が発現した患者では生存期間の延長
傾向が認められている(生存期間中央値は、発疹グレード0の患者が、5.29カ月、グレード2の患者で10.51カ月)。

●がんサポート情報センター「第2段階に入った分子標的薬の長所と短所

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●がんサポート情報センター「患者のためのがんの薬辞典:タルセバ

●がんサポート情報センター「膵がんの最新治療」2005年の情報ですが・・・

今年のASCOで注目されたのは、既存の抗がん剤に代わって、膵がんだけを目印にしてこれを攻撃する「分子標的治療薬」のタルセバ(一般名エルロチニブ)
という薬の登場だった。ジェムザールとタルセバの併用が、ジェムザール単剤に比べて2週間くらいの延命効果があるということが示されている。
「『では、新しい標準治療はジェムザール+タルセバか?』ということになりますが、ASCOではあまりそれを認める空気はありませんでした。延命効果はわずか2週間くらいしかないし、タルセバ群には重篤な皮疹などの有害事象もあり軽視できない、それにタルセバ自体が非常に高価で、治療がきわめて高額になることなどが問題になったようです」

●がんサポート情報センター「膵臓がんの治療Q&A

分子標的薬のタルセバ(一般名エルロチニブ)は、ファーストライン治療としてジェムザールとの併用で使用された際に延命効果が示されました(日本では膵がんに対して未承認)が、その改善度はわずかで、今回のようなジェムザール無効例に対する効果は認められていません。それ以外の未承認の抗がん剤に関しても、現時点では推奨するだけのエビデンスがありません。

●がん情報サービス「国内未承認薬の情報:エルロチニブ

ここから海外の承認情報にもアクセスできます。

●がんナビ「エルロチニブとゲムシタビン併用が膵臓がん患者の生存期間を延長

●共同ニュース「膵臓がん患者の延命に効果

研究結果は、タルセバとジェムシタビンを投与された進行性膵臓がん患者の全体的な生存率に、ジェムシタビンだけを投与された患者に比べ全体で22%
(p=0.038)という統計的に意味のある改善があったことを示している。タルセバとジェムシタビンの併用療法を受けたグループでは化学療法だけのグ
ループに比べて12カ月時点での生存患者の比率が高かった(23%対17%;p=0.023)。
病状進行のない生存率もタルセバ治療患者で大幅に改善され
た(p=0.004)。

●日経メディカルオンライン「ASCO2005 期待はずれの結果にがっかり

進行期膵臓癌に対する化学療法として、ゲムシタビンとエルロチニブを併用すると、ゲムシタビン単独投与に比べ、1年生存率は17%から24%に増加した。
生存期間の中央値については、併用群が単独群に比べて有意に延長したものの、その差はわずか2週間だった。エルロチニブに関する治験第3相無作為化比較試
験の結果で、5月14日のプレナリ発表で、カナダPrincess Margaret HospitalのMalcolm
Moore氏が発表した。コメンテーターのMD Anderson Cancer CenterのJames L.
Abbruzzese氏はこの試験結果に対し、「期待はずれの結果に、がっかりした」と辛口の評を添えた。
Abbruzzese氏は、エルロチニブの治療毒性を考えると、ゲムシタビン単独投与よりも併用投与が優れているとは判断しかねるとし、「この試験結果は、明らかに、現行の標準的治療法を変える根拠にはならない」と締めくくった。

●日経メディカルオンライン「日本人の切除不能膵癌にエルロチニブとゲムシタビンの併用が有望な可能性

有効性については、全生存期間の中央値は9.23カ月、1年生存率は33%、PFSの中央値は3.48カ月であった。測定可能な標的病変が1つ以上あった64人の奏効率は20.3%であった。
 ゲムシタビンは、エルロチニブの薬物動態に影響を与えないことも明らかになっている。エルロチニブの薬物動態に対するゲムシタビンの作用を検討した国内の過去の試験の結果と、今回の試験の結果を比較しても、統計学的な有意差はなかった。
 今回の結果から、進行性膵癌の日本人患者においてエルロチニブとゲムシタビンの併用の全体的な忍容性は良好であることが分かった。この併用が有効性と生存の転帰に寄与する結果が示され、仲地氏は「NCIC PA.3 Studyと一致する結果」と話している。(原文はこちら)

●海外癌医療情報リファレンス「エルロチニブはゲムシタビンと併用すると膵臓癌の1年間生存率を高める」

標準治療薬のゲムシタビンと併用してエルロチニブ(タルセバ)治療を受けた進行膵臓癌患者は、ゲムシタビンのみの治療を受けた患者と比べて、1年間生存率が少し改善しました。しかし、進行膵臓癌患者すべてに対し、標準治療にエルロチニブを追加するのは時期尚早です。

●日経メディカルオンライン「膵臓がんはもっとも大きな変化が期待できる癌です

●治療費「ゲムシタビン+エルロチニブ」322,130円/月

今回の承認で保険適用となったので、上記金額の3割負担となる。

●副作用<

GEMとの併用なら死亡率は2%、イレッサと同様に間質性肺炎その他重篤な副作用


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