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がんと食事(5)

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帰省していたので、ブログもしばらく間が空きました。続きにけりを付けなくては。

写真は室戸岬・坂本海岸のハイビスカス・ロードです。今年は9月末だというのに、まだ南国らしい暑さに汗が滴ります。

Sdim1364

 


がんと食事に関して書きたいことを書いていれば、切りがありません。数回のブログではとうてい説明しきれない。

キャンベルの書籍では、「がん予防」には動物性蛋白質を控えて(キャンベルはほぼゼロにという)、適度な運動をすることです。そうすれば、がんになる確率を小さくでき、がんで死ぬことはほとんどないというのです。シュレベールはさらに発展させ、その他の研究成果も取り入れて、いくつかの食品成分の効用や、精神的な安定ががんに及ぼす影響なども考えています。

疫学研究の結果にはいつでも批判や反論があり得ます。その根本的な原因は、医療の不確実性であり、人間の躰もがんも「複雑系」だからです。原因と結果が、一対一に対応しないのですから、「これががんの原因だ。こうすれば100%がんは防げる」とはなかなか言えないのです。それでもチャイナ・プロジェクトの研究結果は大きな影響を与えています。このような疫学研究は、もう二度とできないでしょう。

私自身は、がんとの闘いには免疫力を含めた体力が必要であり、少量の動物性蛋白質はあった方が良いと考えています。ですから、2007年の世界がん研究基金(WCRF)が提唱するように、1週間で300gまでの肉は許容範囲で良いと考えます。可能ならばさらに減らす方が良いのですが。

キャンベルは、ビタミンDとビタミンB12以外のサプリメントは摂る必要がないと言います。ただし、厳格な動物性蛋白質を数年間を超えて制限している場合は、ビタミンB12が不足するからサプリメントで補充した方が良いといいます。ビタミンDは、1日に20分程度日光に当たれば、食事からの摂取と合計して必要量は生産できます。ただ、1日室内で過ごすような人はサプリメントで摂っても良いが、1000IU/日を超えないようにと言っています。私の場合はマルチビタミン剤としてちょうど1000IUのビタミンDを毎朝摂っています。

ビタミンDの重要な働きについては、わざわざ補項を設けて開設しています。特に動物性タンパク質の多い食事を続けていると、活性型ビタミンDのレベルが低下し、同時にIGF-1と言われる「インスリン様成長因子」が活発になる。これは古い細胞の除去を妨害しつつ、新しい細胞の成長を促進させるように働く。こうした体内環境はがんの成長にとって好ましいものであるとしています。

牛乳と乳がん、前立腺癌、Ⅰ型糖尿病、多発性硬化症の関係は明白です。牛乳は離乳期を過ぎた哺乳動物が飲むものではない。まして他の動物の乳を飲むなんて、合理的ではありません。牛乳との関係は、先のコメントで説明したように、いろいろと評価が分かれています。分かれてはいるが、リスクが大きいのなら飲むのを中止した方が良いに決まっています。

牛乳が白くなければ、たとえば茶色をしていたら、誰も飲まないに違いないでしょう。

最後に糖質制限食との関係について。

キャンベル博士は、「心臓病で高血圧の肥満の男(アトキンス博士のこと)」が、「やせて心臓を健康に保ち、血圧の正常化を約束するダイエット法」を売っていると、アトキンスダイエットをぼろくそに批判しています。

江部康二先生はアトキンスダイエットを「スーパー糖質制限食」と書いていますから、これらは同じものだと考えて良いでしょう。しかし、「スーパー糖質制限食」の長期的評価のエビデンスはないと、江部先生も認めています。スーパー糖質制限食(アトキンスダイエット)で、発がんのリスクが上がるのか下がるのか、エビデンスはないということです。

スーパー糖質制限食なら、脂肪摂取比率50~60%ですから、そのような集団を長期に追跡した論文は存在しませんので、ご指摘どおり、スーパー糖質制限食の長期的安全性に関するエビデンスはありません。食事療法の長期間のRCT研究論文は極めて困難です。

また、コホート研究は参考になりますが、一定のバイアスが入ることは否めません。従いまして、エビデンス的にすっきりは、今後も極めて困難と思います。論文による信頼できるエビデンスが期待できない以上は、理論的に考えることが最善と思います。

  1. 過去エビデンスがある血液検査の動脈硬化のリスク要因が、スーパー糖質制限食で全て改善する。
  2. 発ガンの大きな要因としてエビデンスがある高血糖と高インスリン血症が、スーパー糖質制限食で改善する。
  3. 発ガン予防のエビデンスがあるHDL-コレステロールが、スーパー糖質制限食で上昇する。

スーパー糖質制限食実践により、1)2)3)の利点があります。
他の、どのような食事療法も1)2)3)の利点をクリアすることは不可能です。

と、発がん予防ができるはずだとしてキャンベル博士とは真っ向から対立します。キャンベル博士は、大規模な疫学調査(チャイナ・プロジェクト)などで、動物性蛋白質が癌を誘発することは証明されていると主張しているのです。

膵臓癌患者の場合、再発転移は避けたいからがん細胞は増やしたくない。しかしインスリンが少ないから血糖値の管理も必要です。気を緩めるとすぐに上昇します。

さて、どうするか? どちらが正しいのか?

江部先生も講演会などで言っているようですが、「肉を食べても良いというと際限なく食う人がいるが、物事には限度がある。消費する以上に食べると太るのはあたりまえだ。」

私の結論は、これまで通りの「プチ糖質制限食」です。低GI値の食品、玄米など、なるべく野菜を多く摂り、少量の肉と魚。バランスよく食べる。現状ではこれが<私には>良さそうです。最後は自分の体に聞いてみる。そうすれば自ずから答えが出てきます。黒豚を食ったら一晩下痢に悩まされたのだから。つまり、「玄米魚菜食」で、たまに肉を食えれば幸せという生活。我々団塊の世代が、小学生時分に食っていたものを食えば良いのだ。(完)


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がんと食事(5)” に対して3件のコメントがあります。

  1. キノシタ より:

    サイトウさん。
    全粒粉100%パンの作り方、気になります。パナソニックのホームベーカリーを買おうかなぁ、と思案中。ただ近く(自宅の目の前に)フランスパンの店があり、たぶん全粒粉100%に近いものを売っています。
    こあやさん。
    シミが薄くなるだけではなく、なくなると思います。抗がん剤治療中は、言われるように体力を維持するためにも、食べたくなるものを、が良いですね。私は当時、アツアツの蕎麦とサバの押し寿司が好物でした。

  2. こあや より:

    父は術後の後遺症や抗がん剤治療中なので
    栄養面よりも、食欲をそそるものを優先に食べてますが
    私が
    キノシタさんの記事を参考にプチプチ糖質制限に挑戦中。
    炭酸飲料や菓子パン、駄菓子を卒業して
    野菜、シーフードを積極的に食べるようになりました。
    生理不順が緩和、シミが薄くなってきました。
    だけど、前回キノシタさんが『ポークカレーの豚肉は美味しくいただく』と書かれていたのが全てだと思います。
    どんな食べ物でも、携わる労働者が血と汗を流していること、命をいただいていることを忘れてはいけないです

  3. サイトウ より:

    自家製、全粒粉100% 無塩 天然酵母パンの作り方・・・です。

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