闘病者はなぜ書くのか?
このブログのページ別アクセス数を見ると、トップページは別にして、ウェブページの「@私のがん攻略法」が一番多いのです。その次が「ゲルソン療法では膵臓がんは治らない」などとなっています。訪問してくださる皆さんの「治りたい」という気持ちが伝わってきます。年間で170冊ほどの闘病記が出版されているそうですが、膵臓がんに関する闘病記は少ない。だからこんなブログでもアクセスしてくれるのでしょう。
闘病記専門の古書店「パラメディカ」の店長、星野史雄さんが、自分の闘病記を書いています。『闘病記専門書店の店主が、がんになって考えたこと 』
最愛の同い年の妻を乳がんで亡くし、直後には娘とも思っていた愛犬まで失います。それを機会に闘病記を”せどり”し始めたのです。2800冊もの闘病記を集めて、多くを読んでいたはずの彼ですが、自分の大腸がんを告知されたときの記憶は一部しかないと言う。やはり頭の中が真っ白になっていたのでしょう。
柳田邦男の言葉を引用して、闘病者が書くことの意味を次のようにあげています。
- 苦悩の癒し
- 肉親や友人へのメッセージ
- 死の受容への道程としての自分史への旅
- 自分が生きたことの証の確認
- 同じ闘病者への助言と医療界への要望
私のこのブログは、上のどれにもしっくりとあてはまらないような気がします。あえていえば、3.の「死の受容への道程としての・・・」でしょうか。5.の
「同じ闘病者への助言」と言えるほどのことを書いてあるわけではないし、自分として考えたこと、学んだことをただ淡々と書いているだけですから、後は読む
人のそれぞれの受け止め方。参考にするもよし、無視するもよしです。私からは、
6. がんを通じて、生と死、生きることの意味を考える
を付け加えておきましょう。
『がんの闘病「初心者」は、2、3冊の闘病記を読めば、だいたいのことが分かる』と、星野さんは告知されて間もないがん患者には、闘病記を読むことを勧めています。
星野さんが、闘病記でもっとも影響を受けたのが立花隆の『がん 生と死の謎に挑む
』と近藤誠の『患者よ、がんと闘うな (文春文庫)』だそうです。
巻末に掲載された、星野さんのお勧めの膵臓がん闘病記は、
- 中島梓の『転移 (朝日文庫)』
- 鳥海昭子『語り部歌人・鳥海昭子のほんのり入院記 』
この2冊だけ。パラメディカの「闘病記2-癌」と東京都立図書館の「闘病記文庫リスト」には多くの膵臓がん闘病記があります。