卵巣がん体験者の会のNスペ「がんワクチン」批判【追記あり】


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先日のNHKスペシャル「がんワクチン~夢の治療薬への格闘~」につてい、卵巣がん体験者の会スマイリー:片木美穂代表が全面的で適切な批判の意見をアップされています。

2012年11月18日に放送されたNHKスペシャル「がんワクチン~"夢の治療薬"への格闘~」について

報道における問題点

  • その1:2月に放送されたあさイチの“がんワクチン”報道について
  • その2:NHKスペシャルの最大の問題点「個人情報の取り扱いについて」
  • その3:取材する側に「治験」に対する正しい理解があったのか
  • その4:世の中に氾濫する“効果が実証されていないのに高額な治療費をとる”「免疫療法」「ワクチン療法」について考えたのか

番組はどうあるべきだったのか
NPO法人パンキャンジャパンは、すい臓がんに対して米国では10種類ものお薬が承認されているのに、日本ではTS-1、ゲムシタビン、エルロチニブの3剤だけであることを指摘し、現在、シスプラチン・オキサリプラチンなどのプラチナ製剤、さらに、イリノテカン・ロイコボリン・カペシタビン・ドセタキセル・ナブパクリタキセルなどを求めて署名活動を行っています(11月30日まで)。
すい臓がん患者さんの希望の星はなにもがんワクチンに限った話ではなく、もっと身近に、医療制度の弊害で苦しんでいるものもあるのです。
パンキャンジャパン事務局長の眞島さんは厚生労働省がん対策推進協議会において、このような発言をされています。

    「先ほどデータの中で、膵臓がんの患者さんの生存率が一番厳しいというお話がありましたけれども、この間、フェニックスへ行きましたら、非常にエキサイティングな発表がどんどんがん研究から出てきているんです。それを直接患者さんに還元しようという努力もなされていて、今、アメリカでは、進行膵臓がんの患者さんの平均余命は2年が手中に入っていると言われています。ちょうど日本の倍です。そういうことをがん研究者、臨床関係の方から聞くことができたというのは、がん研究というのは、難治性がんの患者さんにとってみれば光なんだ、命なんだということです。(2012年9月)」

名越康文さんの『自分を支える心の技法』にこんな箇所があります。

僕の友人に、三十代でがんで亡くなった医師がいます。肝臓がんで、だんだん腹水がたまってくるところまできた。その彼に、僕が見舞に行ったあるとき「何がいちばんしんどい?」と聞いたんです。そうすると、「新しい治療法があって”これやってみないか”と言われたときが一番しんどい」と言うんです。どういうことか。死ぬことを受け入れて、残りの少ない人生をまっとうしようという、すごく静かな心になっていても、「これやってみるといいかもしれないよ」と勧められると、どうしたって欲が出る。欲が出ると心が乱れる。心が乱れると怒りがわいてくる、ということを、おそらく彼は言いたかったのだと思います。

「”救われるかもしれないよ”ということだけは言われたくない」という彼の言葉はいまでも忘れられません。

死を覚悟している患者には「余計なお世話」かもしれないのです。「頑張っていれば、明日有効な薬が出てくるかもしれない」などと、脳天気に期待している患者がいるとでも考えているのでしょうか。

手術不能の膵臓がんが、ペプチドワクチンで治ることはありません。延命効果すらもあるのかどうかわかりません。分からないから治験をしているわけです。もちろん、がんワクチンに対して通常の抗がん剤と同じ条件を付けて臨床試験を課すことの問題点はあります。患者に「偽りの希望」を抱かせるような姿勢は改めてほしいものです。もっと患者の立場に立った放送がされるべきです。

番組で紹介された臨床試験はこちらですが、11月2日に内容が更新されて「参加者募集中断」となっています。【12月10日に再開されています。】

【追記】元国立癌研究センターの腫瘍内科医:勝俣範之医師も、専門的な立場から批判の記事を載せています。こちら

勝俣医師は、番組で紹介された千葉徳州会病院でのデータについて、次のように述べています。

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この番組で放映された非ワクチン群との比較検討結果は、少なくとも信頼できる医学文献として報告がないし、おそらくケースコントロール試験(ランダム化していない研究)であると思われる(エビデンスレベル3以下)。このように、出典が明らかでなく、ランダム化されていない研究で延命効果まで証明されたかのように報道することは大変大きな誤解を生じることと思われる。
 また、「膵臓がん末期の患者さんに延命効果」のように、番組の中で、何回も「末期がん患者」を連発している。本当に末期がん患者に効果があったのであれば、相当な期待のもてる治療法であると思われるが、これまでのがんワクチンの臨床研究はすべて「末期がん患者」ではなく、「全身状態の良い進行したがん患者」だけである。

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卵巣がん体験者の会のNスペ「がんワクチン」批判【追記あり】” に対して1件のコメントがあります。

  1. キノシタ より:

    ひまわりさん。情報ありがとうございます。
    なんだか、いやな予感がしてきましたね。外れることを願っていますが。
    あすかさん。訂正しました。ありがとうございました。

  2. あすか より:

    片木 美「穂」です。念のため。
    訂正されたら、コメント削除いただいて結構です。

  3. ひまわり より:

    私の通院している病院では、ワクチンの効果が認められないので
    12月中旬まで一時中断、その後はその結果により
    中断もしくは継続になるとの事でした。

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