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奇跡的治癒はあるのか?

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がんが自然と消えてしまい、あるいは退縮することを、

  • アンドリュー・ワイルは「自発的治癒」
  • バーニー・シーゲルは「奇跡的治癒」
  • カール・サイモントンは「自然退行現象」
  • キャロル・ハーシュバグらは「驚異的回復」
  • ダビッド・シュレベールは「奇跡的回復」
  • 一般的には「自然退縮(寛解)」

と、意味する内容は微妙に違うが、さまざまな言葉で表現する。アレクサンダー・ソルジェニーツィンは『ガン病棟』で、

「自然治癒だ!」とコストグロートフは本を伏せ、足は依然としてギターのように組んだまま、両手を大きく広げた。「これはつまり、原因は不明だが、とつぜん腫瘍が逆方向に進行し始めるということだ! どうだい」

一同はこのお伽話に口をぽかんとあけ、何も言わなかった。腫瘍が、他ならぬこの腫瘍が、自分の人生を一変させたこいつが、だしぬけに後退し、弱まり、衰え、死滅してしまうのか?・・・・

と書いている。

治療成績の悪い膵臓がんでさえも「驚異的回復」の例はある。抗がん効果のある機能性食品のリストを始めて作成したリシャール・ベリヴォー博士が、重い膵臓がんに罹った友人レニーにそのリストを「完全に守る」ことを約束させて、ベリーは「驚異的に回復」した。治りこそはしなかったが、末期の膵臓がんから4年半生きた。これは『がんに効く生活』に紹介されている。

癌が消えた―驚くべき自己治癒力 (新潮文庫)
癌が消えた―驚くべき自己治癒力』は、このような驚異的回復例を集めてていねいに分析した本であるから、いくつもの脅威的回復の例が載っている。膵臓がんでは、80歳の開業医だったフォークナー氏の例がある。膵頭部にテニスボール大の腫瘍があり、生研によって腺癌であることが明らかだった。切除不能だった。余命はせいぜい6ヶ月と言い渡された。しかし診断から8年を生存し、膵がんの再発で亡くなった。彼は生前に友人に次のように語っている。

「頭では信じていないのだが、どうも私は癌に対して何か重要なことをしたようだ。治癒したとはいわないが、西欧の正当医学が自然緩解と呼んでいる状態にあるという事実は受け入れよう。自然緩解とは別の言葉で言えば、私たちには分からない、ということだ。」

修道女ガートルードの例は、1935年のことである。膵臓がんの診断がついており、試験的開腹手術で(もちろん当時はCTはない)膵頭部が通常の3倍の大きさにふくれており、生研のみで手術はできずに閉じられた。修道女たちの祈りが9日連続で続けられた。彼女は回復して、2ヶ月後には日課の修道女生活に戻った。7年半のあいだ彼女はたゆみなく働いた。彼女が突然亡くなった36時間後に解剖してみると、死因は広範囲の肺動脈塞栓であり、膵臓に腫瘍の兆候は全く認められなかった。

酒販売会社の社長ノーマン・アーノルドの例も膵臓がんである。膵頭部に腫瘍ができており、リンパ節と肝臓に転移があった。病理報告は「多発性のリン
パ節転移と孤立性の肝転移を伴った膵腺癌」であった。アーノルドは、自然食で膵臓がんを治した大学教授の話を聞き、すぐ電話をした。電話に出た妻は「夫は
亡くなりました。」と言ったのでアーノルドは「うまくいかなかったわけですね」と訊くと、妻は「いえ、風邪で亡くなったのです」と。アーノルドはマクロビ
オティックの久司道夫の食事療法を取り入れ、サイモントン療法にも積極的に参加した。7ヶ月後、アーノルドの膵臓には異常がなく、肝臓にも転移の兆候がな
くなっていた。アーノルドは「なぜ治ったと思うのか」の問いに、意思の力=10%、食事=9.999%、医学的治療=0.001%、分からない=80%、
と答えている。

こころと体のつながりはミクロの世界であり、そこでは「情報が力」である世界だ。脳には感情と結びついている分子のレセプターがたく
さんある。化学的メッセンジャーによって体のホメオスタシスが保たれており、そこはまたカオス的世界、複雑系の世界である。驚異的回復が示しているのは、
癌は突破できない強固な砦ではなく、ときには”情報の突風”の前では脆くも崩れてしまうトランプの家のようだということだ。


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