今日の一冊(23)『がんに負けるな!』

がんに負けるな!免疫力を上げるポジティブ生活術

がんに負けるな!免疫力を上げるポジティブ生活術

林家 木久扇/吉野 槇一
1,320円(04/24 01:09時点)
発売日: 2015/07/01
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落語家の林家木久扇師匠と日本医科大学名誉教授の吉野槇一氏の共著。といっても林家師匠は冒頭の対談の部分に登場するだけで、吉野教授の「脳内リセット」の話がメインのテーマです。

林家木久扇師匠は、2014年に喉頭がんであることを告白してテレビ番組『笑点』を降板しました。リウマチの専門医である吉野教授は、2008年に肝臓がんになり、3度の再発を乗り越えて、今でも現役で活躍されている方です。

ストレスがあると免疫力が低下する。ストレスをコントロールするためには「脳内リセット」という防御術が有効である、ということを多くの実験を通じて説明されています。

吉野医師は、がんの効果的な治療を行うためには3本の柱があるといいます。

  1. 信頼のできる主治医を持つ。がん専門医とかかりつけの家庭医を
  2. 現代医学による治療をきちんと受けること
  3. 患者ががんという病気と治療法を良く理解し、前向きな気持ちで日常生活を送る

3.のためには、積極的にストレスを解消すること。特に精神的ストレスを取り除き、「頭の中を真っ白な状態にする」=「脳内リセット」ことが効果的だと主張します。

  • 楽しい笑い
  • 泣くこと
  • 深い眠り
  • 没頭すること

により、「脳内リセット」のボタンが押され、神経系・内分泌系・免疫系のバランスが正常になり(ホメオスタシス)、全身の自然治癒力が高まり、少々の精神的ストレスにも強い身体になります。

これを証明するために、日本医科大学附属病院の大講堂に落語の寄席のような舞台を作り、関節リウマチの患者26人、対照群として健康な人たい31人を集め、出囃子も本格的に、前座の林家久蔵さん、続いて林家木久扇師匠の落語が披露されます。寄席の前後に血液検査をして、落語を聞く前と後での、β-エンドルフィン、アドレナリン、ドーパミン、コルチゾール、CD4/CD8比、インターロイキン-6などの数値を比較したのです。

わずか1時間の落語を聞いただけで、患者さん達の炎症を憎悪させるインターロイキン-6が著しく減少し、β-エンドルフィン値が増加、ノルアドレナリン値とドーパミン値が減少したのでした。

こうした実験を3回行い、同様の結果が得られて海外の著名な医学専門雑誌に掲載されました。

楽しく笑っているときに、こうした効果が出るのは、頭が空っぽになっているからではないか、ならば寝ているとき、なにかに没頭しているときも頭が空っぽの状態だから、同じような効果があるだろうとの予測で、全身麻酔状態の患者に同じ実験をしました。

ま、そういう実験の詳細な結果と、「脳内リセット」によって精神的ストレスを小さくすれば、免疫系が活発になり、がんと闘う力が強くなる、という主旨を説明されています。

私も「我が意を得たり」の思いです。治療は専門家に任せるとして、がん患者にできることは、免疫力を上げて自分の自然治癒力を高めることだけです。そのためのもっとも大きな要素は、「心の有り様」「ストレスを溜めない」「ストレスに強い精神力」です。

これらを育てるには、瞑想や座禅、イメージ療法、音楽療法なども有効でしょう。

自分の手術後の生活をふりかえってみても、膵臓がんのことで頭がいっぱいということはなかったですね。まず当時は膵臓がんに関する情報がほとんどなかったので、それを調べてブログに書くことで忙しかった(没頭していた)。睡眠も十分取れていました。メラトニンを服用していたおかげかもしれません。泣くようなことはなかったけど、インターネット落語もよく聞きました。趣味の写真やチェロ演奏にも没頭していましたね。サイモントン療法や瞑想も毎日のようにやりました。おかげで免疫細胞も全力を出してくれたのでしょう。そう思っています。


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