膵臓がんにも有効なBNCT機器の開発

ホウ素中性子捕獲療法

ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)による臨床試験が国立がん研究センターなどで始まっています。従来の原子炉からの中性子を利用していたものから、中性子源を直線加速器に変えることで、病院内に施設を設置することが可能になったのです。

しかし、現状のBNCT機器では中性子が体表面から7cm程度までしか届かず、膵臓がんは対象になりませんでした。

先日の地域版ニュースで、

電子部品大手のローム(右京区)は、次世代のがん治療法として期待される「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の研究治療施設を、京都府立医科大(上京区)に寄付すると発表した。

と報じられています。

深部の腫瘍にも適用できる

この装置はすごいですね。なにしろ小さいから、世界初の中性子線の多門照射が可能となり、治療対象を体表面から25cm程度まで拡大できるので、膵臓がんの治療も可能になります。

ホウ素を取りこませたがん細胞に中性子を充てて、出てくるα線によってがん細胞だけを殺すという仕組みです。いわばトロイの木馬法ですね。これならがん幹細胞もやっつけられるのではないでしょうか。

がん研究センターの中性子発生装置と(株)ロームの中性子発生装置を比較すると大きさの違いが一目瞭然です。

がん研究センターの中性子発生源(直線加速器):建物の1,2階部分を吹き抜けで設置している。

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(株)ロームが開発中の中性子発生源:SiC加速器中性子源・BNCT用実機

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小さいので、患者を囲むように多数配置することができ(多門照射)、身体の奥深くまで中性子を照射することができます。

新たに開発するSiC-BNCTの中性子線照射装置イメージ図

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SiC-BNCTによるがん治療の特長

  • 今回の研究開発では、特に肝胆膵 (肝臓、胆のう/胆管、すい臓) を対象としたBNCT治療の実用化を目指す。
  • 治療による痛みや熱さはなく、原則1回の照射で完了する。
  • ホウ素化合物の反応を利用してがん細胞を破壊するため、正常細胞とがん細胞の混在するがんにも効果を発揮する。
  • 特に有効ながんは、進行がんの40%が適応となり、悪性黒色腫、脳腫瘍、頭頸がん、中皮腫、膵臓がん、腹膜転移等に有効である。

とのことですから、大いに期待しています。

SiC(シリコンカーバイド:炭化ケイ素)は、絶縁破壊電界強度がSiの10倍、バンドギャップがSiの3倍と優れているだけでなく、デバイス作製に必要なp型, n型の制御が広い範囲で可能であることなどから、Siの限界を超えるパワーデバイス用材料として期待されています。この特徴を活かして、SiC-MOSFETアレイによる高電圧半導体スイッチモジュールを搭載した高電圧パルス発生器を製作し、中性子発生装置の発生源となる。


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膵臓がんにも有効なBNCT機器の開発” に対して5件のコメントがあります。

  1. あや より:

    ご返事ありがとうございます。
    毎日気が狂いそうです。
    URLまでご親切にありがとうございます。
    本当にありがとうございます。

  2. キノシタ より:

    あやさん。
    何か手立てはないかとお悩みのことと察しいたします。
    このような代替療法を調べる際には、ブログや販売サイトなどではなく、まずは公式のサイトを見た方がよろしいです。
    Googleなどの検索欄に「がん ラジウム温泉 site:go.jp」と入れて検索してみてください。生活センターなどのテストをした情報が得られます。

    結論から言えば、「(ラジウム)ラドン温泉にはなりません」ということです。
    以上、私の個人的見解です。

  3. あや より:

    遅くなってすみません。
    ご返事ありがとうございます!
    点滴のジェムザールと服用のTS-1を併用して
    一時転移は無くなりましたが、やはり効かなくなってしまい転移が再発しました。
    抗がん剤を変えたばかりで、私は使わないで欲しいと思っていますが他に方法がないので本人もやめるにやめられない状況です。
    ハイパーサーミアを併用で年始から始めます。
    腹水がたまり、食欲もかなりおちたのでお世辞にも元気とはいえません。。
    そのルーべライトも35万ほどなので、高い買い物ですが効くなら買いたいと思っていました。ルーべライトについてブログを書いている方から紹介してもらい、元医師という方からほぼ購入をするつもりで電話もしました。
    ですがキノシタさんからそうした意見をいただくと、購入をするのはやめようかと思います。
    本当に悩みます。
    ラジウムグッツのお利口さんやラジウム温泉器も購入しようかと思っていたのですが、ご存知でしょうか?
    こちらも同じ類いでしょうか?
    色々聞いてしまいすみません。
    毎日色々調べすぎて何を信じていいかわかりません。

  4. キノシタ より:

    あやさん。
    肝臓とリンパに転移があっても元気とはすばらしいですね。
    ルーベライトはトルマリンの一種らしいですが、遠赤外線にがんを殺すほどのエネルギーはありません。ハイパーサーミアとは全くの別物で、似非科学の一種です。
    すべての物体は遠赤外線を放射しています。ネコを抱いてもネコからの遠赤外線で暖かくなります。
    しかし、遠赤外線でがん細胞を殺すほどの42℃にまで体内温度を上げることは不可能です。体内温度が42℃とは体表温度はそれ以上になり、本人が耐えられません。
    身体を温めることは、健康には有効でしょうから、それなら
    ホカロンを張り付けていた方がよほど効果があると思います。
    <遠赤外線><波動><マイナスイオン>などの語句が出てきたらすべて似非医学だと考えてまちがいないです。

  5. あや より:

    初めまして、あやと申します。
    2015年4月15日に母の膵臓癌が発覚し、それからこちらのブログにちょこちょこお邪魔させていただいています。
    情報が少なく、何が正しいかわからず、日々絶望していますが、こちらのブログにはいつも助けられています。
    発覚時、肝臓とリンパに転移が見られましたが、奇跡的に今も生きていてくれています。
    ハイパーサーミアを自宅でも出来るよう、ドイツ発祥のルーべライトなるものがあるというブログを他で見たことがあるのですが、ご存知でしょうか?
    ブログの本題とは違いすみません。
    何かご存知でしたら教えて下さい。
    どうぞ宜しくお願い致します。

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