スポンサーリンク

中村祐輔先生の『がん消滅』

本屋にも平積みされていましたね。読了しました。

がん消滅 (講談社+α新書)

がん消滅 (講談社+α新書)

中村 祐輔
990円(09/18 00:53時点)
Amazonの情報を掲載しています

遺伝子治療について分かりやすく説明をされていますが、専門用語が出てくるのはしかたないですね。しかし遺伝子、ゲノム、DNAなどの区別が曖昧であっても、分かるように丁寧に説明されています。

リキッド・バイオプシーによってさまざまなことが可能になる、そうした展望も期待が膨らみます。

がんの早期発見にも使え、卵巣がんや肝臓がんの検出率は、ほぼ100%です。しかし、膵臓がんでは30~40%と、高くありません。

スポンサーリンク

がんの話しからはズレますが、受精卵を操作するゲノム編集には反対の立場を明らかにしています。ゲノム編集が本当に他の遺伝子に影響がないかどうか疑問視されているからと書かれています。

一方で、中村先生のブログでは、

私は国際的な食糧事情を考慮すれば、遺伝子操作であれ、ゲノム編集であれ、食料を確保する観点で、そして、健康寿命を延ばす目的でも、機能性食物の生産や効率的な食糧生産体制は、国として取り組むことが必要だと思っている。

と書かれていますが、私にはこの違いがよく分からない。食品は良いが、受精卵はダメなのだろうが、食品でも本当に他の遺伝子に対して影響がないのだろうか。ヒトも植物も同じ生物なのだから。

期待を集めているネオアンチゲン療法ですが、その原理を生かした「オーダーメイド樹状細胞ワクチン療法」について、福岡がん総合クリニックでの腎臓がんの肺転移が、6クールの投与後にほぼ消失したという例を、画像付きで紹介されています。

数百億円が必要となる臨床試験を行うことができないから、こうした自由診療で実績を積んでいこうという考えのようです。

できればその自由診療の費用も紹介して欲しかったのですが、福岡がん総合クリニックやビオセラ・クリニックのサイトでチェックすると、「2クール(8回)の目安 310万円程度(税抜)」とされています。

遺伝子解析の結果から、ネオアンチゲン候補となるタンパクを推定し、さらにそこから患者一人一人の遺伝子型(HLAタイプ)に合わせてネオアンチゲンペプチドの候補を、選び出すという膨大な作業が必要になります。高速コンピューターの助けを借りないと、なかなかできるものではありません。

そのために費用が膨らむのです。コンピューターがより高速になれば費用も下がるのかもしれません。

画像の腎臓がん患者は6クールで消失した例ですが、それには約1000万円必要だったわけです。

免疫療法は効果が出るまでにある程度の時間が必要です。樹状細胞の培養にも数週間かかるので、その間に亡くなる方もいると書かれています。

効果が出ても消失までに到らなければ、治療を延々と続けることになりますから、相当の資産のある患者でなければ難しいでしょうね。数年間続けるといくらの費用になるのか。

また、新鮮な腫瘍組織が必要なことも、対象となる患者が限られる原因となっています。

大きな期待が持てるゲノム医療ですが、まだまだ課題は山積しています。


がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

このブログの関連記事

  • 【必聴】死を前にして人は何を思うのだろう?【必聴】死を前にして人は何を思うのだろう? 転移したがんの多くは標準治療では治らない。抗がん剤治療も、生活の質(QOL)の維持と延命効果を期待して投与される。しかし、中には例外的に治癒あるいはがんとの共存が長く続く患者がい […]
  • ホメオパシーを賞賛しなければよい本なんだが・・・ 連日の猛暑日だそうです。今日は昨日までよりは少しは過ごしやすい気がします。さすがにこの厚さではバックパックを背負って30分以上の散歩をする気にはなりません。膵臓がんで助かって熱中 […]
  • 実例報告「私は切らずにがんが治った」実例報告「私は切らずにがんが治った」 次郎 「週刊現代」の特集記事がアップされているけど、 「病は気から」は本当だった!実例報告「私は切らずにがんが治った」 確かに自然治癒はあるのだ […]
  • がん患者だって原発の再稼働に抗議するがん患者だって原発の再稼働に抗議する 今日は私の膵癌を発見するきっかけとなった先生、いつもインスリンが出ていることを「おかしいなぁ?」と言ってくれる糖尿病専門の先生のところで、5年生存の報告。「あなたの場合は、本当に […]
  • 大阪大学におけるがんのケトン食療法大阪大学におけるがんのケトン食療法 『外科と代謝・栄養』誌の10月号に「~がんに対する糖質制限食治療の可能性~大阪大学におけるがんケトン食療法5年間の取り組みについて」との記事がありました。 阪大における […]
  • 術後の膵臓がんーステージⅢ術後の膵臓がんーステージⅢ これまで断片的に書いてきた私の膵臓癌だが、手術直後に書いたものなんかは、正直いって意識も朦朧とした状態で書いているので、少しおかしいところもある。ここらでまとめてみようと思う […]
  • 中村祐輔教授の新著 中村教授の新著『がんペプチドワクチン療法』が出版されている。10月6日が発 売だが、購入を躊躇しているうちに(価格が・・・)アマゾンでは在庫切れ・入荷待ちになっているようだ。 […]
  • 今日の一冊(121)『がん消滅』中村祐輔今日の一冊(121)『がん消滅』中村祐輔 岩木一麻の小説に『がん消滅の罠ー完全寛解の謎』という作品がありましたが、こちらは中村祐輔先生が、ゲノム医療やリキッド・バイオプシー、ネオアンチゲンについて解説した著作です […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です