「膵臓がん患者と家族の集い」のご案内


【日 時】2024年11月10日(日) 14:00~17:00(開場:13:45)
【会 場】大田区産業プラザPiO 6階D会議室
【参加費】1,000円
【対 象】膵臓がん患者とその家族、ご遺族
【定 員】60名
【内 容】
   第1部 ミニレクチャー:膵臓がんと遺伝子の関係
       ~聖マリアンナ医科大学 認定遺伝カウンセラー:荻原眞帆様~
   第2部 患者・家族の交流会
申込締切は11月7日(木)19:00までです。
詳しくはオフィシャルサイトで


末期癌と認知症

認知症と末期大腸がんの弟:葛藤と希望

愛する家族が病に倒れることは、誰にとっても辛い経験です。私自身も、有料老人ホームに入所している、認知症を患い、大腸がんが再発し、ステージ4と診断された弟を持つ一人です。余命は半年から1年と宣告され、抗がん剤治療も効果がないため中止せざるを得ませんでした。現在は緩和ケアのみを行っております。

多くの末期がん患者にとって、目の前に迫った死は避けられない現実であり、恐怖や不安と向き合う日々を送ることと思います。しかし、弟の場合は認知症の影響なのか、死に対する恐怖や後悔といった感情をあまり表すことがありません。「することがなくて退屈で死にそうだ」と愚痴をこぼすことはありますが、積極的に何かをしようとする様子も見られません。

弟の様子を目の当たりにする中で、私は複雑な思いを抱きました。治癒の見込みがない末期がん患者にとって、認知症であることは逆に幸せと言えるのではないでしょうか?

確かに、死への恐怖や苦痛を感じる能力が低下しているため、精神的な負担は軽減されているのかもしれません。しかし同時に、家族や周囲の人々にとっては、介護や看取りの負担がより重くなるという側面も否めません。

弟の担当医によると、がん患者における認知症の発症率は、年齢とともに高くなる傾向があるとのことです。65歳未満の場合は比較的稀ですが、75歳以上になると10%程度、85歳以上になると30%程度と、発症率が大幅に上昇します。

弟のように、認知症と末期がんという二重の病状に苦しむ患者は決して少なくありません。彼らにとって、最善の治療法やケアを見つけることは容易ではなく、家族や医療従事者にとっても大きな課題となります。

葛藤と希望の狭間で

弟の主治医に対しては、緩和ケアをする中で、が痛みや苦痛が生じた場合は積極的に医療麻薬を使ってください。日本では医療麻薬の使用量が欧米に比べても極端に少ないと言われております。痛みを取ることによって余命が伸びるというエビデンスもありますから、とお願いをしてあります。

弟の病状は、私自身にも大きな葛藤をもたらしました。彼の幸せを願う一方で、自分ができることは限られているという無力感に押しつぶされそうになることもあります。しかし、そんな時でも、弟の笑顔や何気ない一言に励まされます。

たとえ治癒の見込みがなくとも、弟の人生にはかけがえのない価値があります。残された時間を精一杯、彼と共に過ごし、少しでも多くの思い出を作りたいと思います。そして、弟のような患者さんたちが、少しでも安心して過ごせる社会の実現に向けて、微力ながら貢献していきたいと考えています。

終わりに

認知症と末期がんという病状に直面した時、私たちは何をすべきなのでしょうか? 答えは簡単ではありません。しかし、大切なのは、患者さん一人ひとりの個性や価値観を尊重し、最善のサポートを提供することだと思います。

弟との日々を通して、私は命の尊さ、家族の大切さを改めて実感しました。今後も、彼の支えとなり、共に歩んでいきたいと思います。

このブログ記事が、同じような境遇にある方々にとって少しでも参考になれば幸いです。


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