高額療養費の自己負担引き上げで治療を継続できないがん患者が続出!

がん患者さんの多くが利用している公的医療保険の高額療養費制度ですが、政府は、自己負担限度額の引き上げに関して具体的な案を固めるようです。

防衛費を青天井にする一方で、弱者にはこれでもかの冷酷予算です。

急速な高齢化によって医療費が増税しており、若年層からは不満が出ているというのが政府の言い分です。つまり財源がないから高額療養費を削ろうということです。

一方で、防衛費は過去最高を記録更新していますが、兵器の分割購入後払いなどがその理由です。アメリカの古い兵器を高い金額で買わされています。

不思議なことに「その財源はどうするんだ」という議論はマスコミからも識者からも出てきません。

政府は25日、高額な医療費の負担を一定に抑える「高額療養費制度」の自己負担限度額(月額)を、来年8月から3段階で引き上げ、2027年8月に平均所得層(年収約370万~約770万円)で最大5万8500円を引き上げるなどの見直し案を固めた。

これまでは収入や資産が不足しているために治療が困難になることが多かったのですが、今後は収入に対する医療費の増加に伴い、「あの人は治療できるのに、私はできない」といった状況が様々な場面で見られる可能性があります。
また、高い収入区分では高額療養費制度の自己負担限度額に達せず、多数回該当にもならないため、ずっと3割負担が続くケースがこれまで以上に増えると予想されます。

就労して収入を得ている方の場合、がんをきっかけに働くことが難しくなり、収入が減ったとしても、高額療養費の区分は基本的にすぐには変更されません。
その結果、収入が減っても高い年収区分に基づく高額療養費を支払うことが求められ、大変だと感じる患者さんが多くいらっしゃいます。
今回の改定案は、この現状にさらに拍車をかける可能性があります。

つまり、経済的な理由で治療ができるにもかかわらず、治療を諦めざるを得ないがん患者が、これまで以上に増えることが予想されます。他人事ではないです。

一般社団法人全国がん患者団体連合会(全がん連)は、高額療養費制度における負担上限額引き上げの検討について、厚生労働大臣らに要望書を提出しました。

2024年12月24日

厚生労働大臣         福岡 資麿  様
厚生労働副大臣        鰐淵 洋子  様
厚生労働副大臣        仁木 博文  様
厚生労働大臣政務官      安藤 たかお 様
厚生労働大臣政務官      吉田 真次  様
厚生労働省保険局長      鹿沼 均   様
社会保障審議会医療保険部会長 田邊 國昭  様

一般社団法人全国がん患者団体連合会(全がん連)
理事長 天野 慎介

高額療養費制度における負担上限額引き上げの検討に関する要望書

高額療養費制度は、家計に対する医療費の自己負担が過重なものとならないよう、医療機関の窓口において医療費の自己負担を支払った後に、月ごとの自己負担上限額を超える部分について事後的に保険者から償還払いされる制度であり、がんをはじめとする命に関わる疾患で治療を受け、かつ高額な医療費を支払う患者とその家族にとっては、治療を受けるうえでまさに命綱といえる大切な制度です。

現在、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会において、国民皆保険の維持あるいは保険料軽減などの観点から、高額療養費制度における負担上限額引き上げの検討が行われており、厚生労働省からも引き上げ額や引き上げ時期についての提案が行われています。一方で、高額療養費制度における負担上限額引き上げは、がんをはじめとする命に関わる疾患で治療を受け、かつ高額な医療費を支払う全ての患者とその家族に影響を与えるものです。新たな治療や治療薬の登場によるがん治療の高度化に伴い、高額療養費制度の負担上限額まで支払っている患者とその家族が既に多くおり、特に「長期にわたって継続して治療を受けている患者とその家族」にとっては、大きな影響を与えるものとなります。

現在のがん治療においては、長期にわたって継続して治療を受けることを前提とした治療や治療薬が増えており、これらの治療を受けているあるいは治療薬を投与されている患者とその家族は毎月、一定の医療費を支払い続けています。70歳未満の現役世代の中には、仕事や日常生活を続けながらぎりぎりの範囲で医療費を毎月支払い続けている患者とその家族もおり、高額療養費制度における負担上限額引き上げは、高額療養費制度の負担上限額まで支払っている患者とその家族、特に「長期にわたって継続して治療を受けている患者とその家族」にとっては生活が成り立たなくなる、あるいは治療の継続を断念しなければならなくなる患者とその家族が生じる可能性が危惧されます。以上の状況を鑑み、高額療養費制度における負担上限額引き上げの検討に関して以下の要望を提出いたします。

◯高額療養費制度における負担上限額引き上げは、がんをはじめとする命に関わる疾患で治療を受け、かつ高額な医療費を支払う全ての患者とその家族に影響を与えるものであることから、負担上限額引き上げの軽減および影響を緩和する方策について検討すること。

◯特に、「長期にわたって継続して治療を受けている患者とその家族」にとっては、高額療養費制度における負担上限額引き上げは生活が成り立たなくなる、あるいは治療の継続を断念しなければならなくなる患者や家族が生じる可能性が危惧されることから、「長期にわたって継続して治療を受けている患者とその世帯」の月単位の上限額(「多数回該当」の月単位の負担上限額など)の引き上げについては、負担上限額引き上げの軽減および影響を緩和する方策について特段の配慮を行うこと。

以上


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